河野誠哉
「発達障害は個性であり、豊かな才能の証し」という言説に垣間見える「危うさ」とは?
発達障害への理解が進んでいるかのように見える現代。その一方で、「発達障害は個性の延長であり、豊かな才能を持っている証」というポジティブな捉え方が思わぬ弊害を生むことも。こうした言説から垣間見えるレトリックの危うさについて、河野誠哉『個性幻想――教育的価値の歴史社会学』(筑摩選書、筑摩書房)より一部を抜粋・編集してお送りする。

障害は個性なのか?→乙武洋匡氏の反論が真っ当すぎて、ぐうの音も出なかった
乙武洋匡氏が「障害は個性です」と述べた――。そんなイメージを持つ人が多いだろうが、乙武氏自身はその言葉を「言っていない」と否定している。そもそも、障害者にまつわるトピックとして話題になることの多い「障害個性言説」はこれまでどう遷移してきたのか。河野誠哉『個性幻想――教育的価値の歴史社会学』(筑摩選書、筑摩書房)より一部を抜粋・編集してお送りする。

『窓ぎわのトットちゃん』は理想郷だった?バカ売れした80年代の教育崩壊に愕然…
女優・タレントの黒柳徹子さんの自伝的物語『窓際のトットちゃん』。誰もが知る戦後の大ベストセラーだが、同著がブームとなった1980年代は、各地で学校崩壊と言える事件が頻発し、学校教育の分岐点でもあった――。※本稿は、河野誠哉『個性幻想――教育的価値の歴史社会学』(筑摩選書、筑摩書房)の一部を抜粋・編集したものです。
