個人投資家の「株で勝つ!」投資手法を徹底解剖!
2017年3月28日公開(2017年3月29日更新)
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「個人投資家の「株で勝つ!」投資手法を徹底解剖!」

著者・コラム紹介

個人投資家の「株で勝つ!」投資手法を徹底解剖!

ザイ・オンライン編集部

「連続増配の株を買う」だけで資産1億円超を達成!
サラリーマン投資家・立川一さんが編み出した
シンプル&ユニークな「増配銘柄投資法」を解説!

 株で何億円も稼いでいる“億トレーダー”のインタビュー記事やブログを読んで、「すごいとは思うけど、自分で同じことができる気がしない」と感じる人も多いだろう。実際、彼らが持っている「チャートから値動きを予測する力」や「決算の数字を読み解く分析力」といったスキルは、膨大な知識と経験に裏打ちされており、一朝一夕で身につくものではない。

 しかし、サラリーマンと投資家という二足の草鞋を履く立川一(たちかわ・はじめ)さんの投資ルールは、「連続増配している株を買う」と非常にシンプル。立川さんは、そんな誰にでも真似できそうな投資方法で、約1億5000万円もの資産を築き上げた。

 「連続増配している株を買う」というのは、実際どんなやり方なのか。今回は、そんな立川さんが編み出した投資法をくわしく解説していこう。

投資歴13年で資産1億5000万円を達成しながら、
「自分は所詮アマチュアレベル」と分析

スマホ片手に、自分の投資法について丁寧に説明してくれる立川一さん。持参の資料には、毎月の入金額や資産額などの詳細なデータがびっしり。

 立川さんが本格的に投資を始めたのは、2004年のこと。最初は、割安の銘柄を見つけ出して買う「バリュー投資」をしていたが、勝ったり負けたりを繰り返しで投資成績は今ひとつパッとしなかった。ところが、将来的に成長が期待できる銘柄を買う「グロース投資」に少しずつ投資スタイルを変えていったことで成績は安定。そして、現在の投資手法を確立したことで、収益を急速に伸ばしていった。

 立川さんの2017年3月時点の成績は、約4000万円の入金額に対して、資産額は約1億5000万円。しかもこの金額は、単に保有銘柄の時価の合計ではない。含み益に対して発生する税金を差し引いた後の「実質的な資産額」だ。

 現在の保有銘柄を見ても、購入してから何倍にも値上がりしている銘柄がゴロゴロしている。

■立川さんの保有銘柄の例
 銘柄名(コード) 平均取得単価
現在株価
(2017年3月25日時点)
値上がり倍率 1行目センター黄色
全国保証(7164) 521円 4005円 7.7倍
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エス・エム・エス(2175) 212円 2729円 12.9倍
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トランザクション(7818) 77円 976円 12.7倍
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ベネフィット・ワン(2412) 337円 3445円 10.2倍
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ゲンキー(2772) 594円 6900円 11.6倍
最新株価チャート(SBI証券サイトへ移動します)はこちら
※株式分割を調整済み

 そんな立派な成績を誇る立川さんだが、本人は「自分は株式投資の特別な才能や実力があるわけではない」と自己分析する。

 「株で何十億も稼ぐ個人投資家さんたちは、銘柄分析やチャートの読み方など、みんなすごい能力を持っている、いわばプロ野球選手みたいなもの。それに比べると、僕は草野球でスコアブックを付けているくらいのレベルです。そんな僕がプロ野球選手の真似をしても、絶対に失敗します。だから、アマチュアレベルの実力でもできることを考えました

 そうして考え出した手法が「増配銘柄投資」だ。

利回り2%でも、配当が20%アップすると、
それは利回り22%の金融商品と同じ?

 立川さんの実践する「増配銘柄投資」の基本は、いたってシンプル。その名の通り、増配を繰り返している銘柄を買うだけだ

 「配当狙いというと、今の時点で配当利回りの高い銘柄を狙う人が多いと思います。しかし僕は、今の配当利回りよりも順調に配当が伸びていることを重視します。例えば、年20%ずつ配当がアップしたら、20年後には当初の約32倍もの配当を受け取れることになって、結果的にそのほうがずっと儲かります」

 増配銘柄の魅力は大きく2つある、と立川さんは言う。ひとつは「増配には、配当の増額分以上の価値がある」ということ。

 例えば、株価1000円で配当20円の株が、翌年、配当金を20%アップさせて配当24円になったとする。この場合、普通の投資家は「配当利回り2%が2.4%にアップしただけ」と考える。しかし、立川さんは「利回り22%の金融商品に投資しているのと同じ」と考えるのだ。

 「仮に、定期預金で利息を20%分増やそうと思ったら、あるいは不動産投資で手取りの家賃収入を20%増やそうと思ったら、預金額や部屋数を20%増やす必要があります。配当利回りが20%アップしたというのは、それと同じ意味があります。増配銘柄は、それだけ恐ろしい金融商品なのです」

 もちろん手持ちの資産が実際に22%増えるわけではないが、「それと同じだけの価値がある」という着眼点は非常にユニークだ。

 しかも、配当が20%アップしたら、将来的に株価も同程度アップすることが期待できる。これが、増配銘柄のもうひとつのメリットだ。

 「配当を増やすということは、それだけ業績がアップしているということであり、それは最終的には株価に反映されます。例えば、年20%の配当金アップを4回行ったら、配当金は約2倍になります。そのころには、株価が2倍近くになってもおかしくありません」

 つまり、連続増配銘柄は、「配当収入の増加」と「株価の値上がり」をダブルで期待できるのだ

これまで連続して増配をした銘柄は
今後も増配する可能性が高い

 ここで気になるのは、「これまで何度も増配してきたからといって、今後も増配が続くのか?」ということ。いくら過去に増配を繰り返した銘柄でも、買った後に増配してくれなければ意味はない。

 しかし、立川さんは「これまで積極的に増配してきた銘柄は、今後も増配する可能性が高い」と判断する。

 「企業にとって、減配はできるだけ避けたいものです。言い換えれば、増配とは、企業の現在および未来の業績に対する自信の表れと言えます。また、成長した業績を株主に還元する意欲がある証拠でもあります。投資の研究に十分な時間が割けない“草野球レベルの個人投資家”にとっては、下手に自分で決算書を読み込んで銘柄を分析するよりも、単純に増配銘柄を買ったほうが、よっぽど低リスクで“今後の成長が期待できる銘柄”に投資できます」

 立川さんが保有している主な増配銘柄を挙げてもらった。どの銘柄も、安定して増配を続けている

■立川さん保有銘柄の増配の例
銘柄名(コード)
*クリックで最新株価へ
配当 
2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
全国保証(7164) 8円 21.5円 30円 48円 55円
エス・エム・エス(2175) 2.5円 3円 4円 5円 7円 7円
トランザクション(7818) 1.88円 2.25円 2.5円 3.25円 4.5円 7円
ベネフィット・ワン(2412) 12.5円 15円 17.5円 21円 24円 33.5円
日本エス・エイチ・エル(4327) 71.5円 85.75円 90円 92円 98円 110円
※株式分割を調整済み

 当然、立川さんが手にする配当もうなぎ登りで、相乗平均で計算すると、年に約30%の割合で配当が増額。2017年には、配当だけで約275万円(税引前)も稼げる予定だ

 「ひとつの目安として、配当額を年20%の割合で増やすことを目標にしています。年20%というのは、新たに投資資金を増やすことで配当が増加する分も含めての数字です。年20%を超えるため、無理に入金したり高配当銘柄を買ったりはしないようにしていますが、今のところは余裕でクリアできていますね」

増配銘柄は、成長が期待できるビジネスモデルの可能性が高い

 ここまで増配銘柄のすごさを解説してきたが、だからといって増配していればどんな銘柄でも買っているわけではない。

 「連続して増配していることに加えて、きちんと増収増益を続けていることが大切。無理をして増配しても意味はありません。その上で、PERが10~20倍程度の比較的割安な銘柄がいいですね」

 こうして選んだ増収増益増配の銘柄は、ビジネスモデルを見ても優良であることが多いと言う。

 「事業の拡大に大きな設備投資が必要なく、また、参入障壁が高い事業がいいですね。さらに『この会社のビジネスは、今後売上を伸ばして配当をたくさんくれそう』と将来的な成長がイメージできる銘柄を選びたいです」

 一例として、神奈川県内で学習塾を運営するステップ(9795)を挙げる。

 「一般的に学習塾は、教室を増やすことで売上と業績を拡大していきますが、わりと浮き沈みがある業界です。しかしステップは、教室の増やし方が上手なんです。講師陣をほぼ正社員にして教育をしっかり行うことで授業の質を上げ、少しずつしか教室を増やしません。新しい教室を出して生徒を居着かせるには、時間がかかることを知っているんですね。ステップがなんで増配を続けているのか調べれば、そういう仕組みが見えてきて、同じ調子で行けば今後も増配してくれそうだとわかります。増配銘柄は、かなりの確率でこういうビジネスモデルであることが多いのです」

⇒ステップ(9795)の最新株価と詳細情報を見る

 こうして連続増配している銘柄を調べていくと、「まだ上場したばかりだが、今後、連続増配が期待できる銘柄」も見つけ出せるようになると言う。現在、立川さんの主力銘柄のひとつとなっている全国保証(7164)も、そうやって見つけ出した銘柄だ。

 「全国保証は独立系の住宅ローン保証会社です。住宅ローンを貸し出している銀行は、大体自分たちで保証会社を持っていますが、それだと同じグループ内なので、実質的にはリスクを分散できていません。なので、将来的に住宅ローン保証のアウトソーシング化が進むだろうと考えました。しかも、競合他社が参入しようと思っても、今から全国保証のように全国に支店を出すのは難しく、それが参入障壁になっています」

 さらに全国保証には、住宅ローン保証ビジネスならではの旨味があると言う。

 「自己資本比率が約17%とめちゃくちゃ低かったのに、有利子負債がゼロでした。気になって調べてみたら、仮に保証料が30年分入っても、その年の売上は1年分だけで、残りの29年分は長期前受収益という形で負債の方に記載されることがわかりました。長期前受収益があるということは、将来の売上見込みが立ちやすいということです。それでいてPERが当時6.6倍と低かった。これは安すぎると思ってすぐに買ったら、その後に増配を繰り返し、2~3年後には配当が倍になりました」

⇒全国保証(7164)の最新株価と詳細情報を見る

自分が理解しにくい銘柄は
たとえ連続増配していても手を出さない

 一方、連続して増配していても手を出さない銘柄もある。

 「例えば、商社など、利益率が低くてちょっとしたことで業績がブレる恐れのある企業には手を出しません。その業界をよく知っていれば投資対象になるのでしょうが、そこまで自信はありませんから」

 商社に限らす、自分には理解できそうにない業種には手を出さないようにしているとのこと。

 「一応、四季報は頭から読んでいますが、3000以上あるすべての銘柄を研究できるとは思っていません。研究できて、せいぜい数百銘柄程度。その中から、いくつか主力銘柄を見つけられれば良いと思っています。なので、あくまでも、自分の頭の中で将来が想像できる企業しか買わないようにしています」

使い勝手の良いSBI証券と
売買手数料が実質無料のGMOクリック証券

 ちなみに、立川さんが使っている証券会社は、SBI証券とGMOクリック証券の2つ。

 「メインはSBI証券ですが、売買のしやすさ、画面や開示情報の見やすさ、レスポンスなど、総合的に見て非常に使い勝手の良い証券会社だと思います。夜間取引(PTS取引)ができるのもメリットですね。夜間取引は、たまにとんでもない安値で買えることとかあって、非常に面白いです」

 一方、GMOクリック証券は、GMOアドパートナーズ(4784)GMOクリックホールディングス(7177)GMOインターネット(9449)などの株を持っていると、株主優待により売買手数料がキャッシュバックされるのがメリット。仮に、上記3銘柄を100株ずつ保有していると、キャッシュバック金額の合計は年間2万2000円になる。

 「デイトレーダーなら2万2000円では全然足りないと思いますが、僕のようにそれほど頻繁に売買しない個人投資家の場合、売買手数料が実質無料で使えます

⇒SBI証券の詳細(公式サイト)を見る
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株式投資は、億トレーダーへの道ではなく
生活をワンステップ豊かにする手段

 ここまで、立川さんが億トレーダーになった秘密を解説してきた。しかし、立川さんの資産推移を見て、「入金額の累計が4000万円もあるなんて、会社員と言っても、どうせ年収1000万円以上の金持ちサラリーマンだろう」と考えた人もいるだろう。だが、決してそんなことはない。

 「投資を始めたころは、年収500万円もなかったくらいです。たしかに親戚から遺産も多少入っていますが、資金の大半は自分で稼いだお金。平均して月15万~20万円くらいをコツコツと証券口座に入金し続けた結果です」

 年収500万円の人にとって月15万~20万円はそれなりの金額だが、立川さんは決して無理をして投資資金を作ったわけではない。

 「投資資金の確保は、仕事を少しだけ真面目にやる、無駄遣いをしない、無駄な保険を見直す、など常識的な範囲で実施し、趣味や付き合いも大事にしました。急に仕事を張り切ったり、家族や友人・同僚の理解を得にくい極端な節約生活をしても、結局は長続きせず人間関係にも影響します。我慢の結果として資産形成しても、トータルの人生満足度が低下しては意味がありませんから」

 実際、仕事を“少し”頑張り、社内の人間関係も大切にした結果、本業のほうも順調で給料もある程度は上がったと言う。

 「投資って、大切な家族のために頑張っているサラリーマンが、もうワンステップ豊かになれる手段になると思っています。投資に回すのは、別に月5万円でも2万円でもいいんです。仮に月2万円を投資に回し、僕と同じ期間、同じように運用したら、今は約1400万円になっているはずです。そうなったころには、受け取る配当も年に20万は超えているでしょう

 個人投資家の世界では億トレーダーばかりが注目されがちだが、本当に必要なのは、極々普通のサラリーマンが資産形成の手段としての株式投資を実践することなのだ、と立川さんは考えている。

 「繰り返しになりますが、誰もがプロ野球選手レベルの投資家になれるわけではありません。でも、草野球レベルの投資家でも、投資とは何かを理解し、リスクを最小限に抑えながら資産形成することは十分に可能です。僕がやっている『増配銘柄投資』は、そのためのひとつの手段になり得ると思っています


立川一さん
(『Value Investment since 2004 長期に配当収入増加と資産形成を目指す立川一の投資日記』:http://vis2004.blog.fc2.com/)

40代のサラリーマン投資家。中学生のころから株に興味を持ち、2004年から本格的に株式投資を開始。バフェットの本に影響を受け、最初はバリュー投資からスタートしたが、次第に増配銘柄のメリットに気が付き、現在の投資手法を確立する。趣味である楽器演奏の腕前はかなりのもので、週末にはライブ活動も行っているとか。


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