上田 最近、大阪の橋下徹知事が財政立て直しに悪戦苦闘している様子がよく報道されており、話題を呼んでいます。大阪府だけでなく、日本の地方自治体はどこも皆大変のようですね。そこで今回は、「地方を再生させるにはどうしたらよいか」をうかがいたいと思います。

 まず、地方自治体が抱える問題について。よく「地方は自立しておらず、国におんぶに抱っこの状態」と言われます。国は地方にそんなにあれこれ口を出すものなんですか?

竹中 それが最大の問題点です。地方自治体の経済を活性化させるのは日本の大きなテーマですが、まずその基礎として「地方分権」をやらないとダメだと思います。

 地方分権と言えば皆賛成しますが、その実、国はなんだかんだと地方に口を出します。地方は地方で、文句を言いながらも国に面倒を見てもらっているほうがよい面もある。要は持ちつ持たれつの関係なのです。

「金を出すから口を出すな」
が透けて見える国と地方の関係

上田 なるほど。一般的に地方自治体の問題点は4つあると言われますが、国との付き合い方が全ての問題点の根底にある気がしますね。

 その問題点とは、第1に「地方には自由がない」ということですよね。細かいことまで国が一律に決めてしまうので、身動きが取れなくなる。第2に「地方には最終責任がない」こと。たとえば、自治体が破綻しても国が最終的に責任を取ってくれる。第3に「財政制度が複雑で難解過ぎる」こと。地方交付税の計算式は、経済の専門家でも理解できないほど複雑だと言われています。そして第4に「経済的に自立できていない」ということ。実は、国から地方交付税をもらっていないのは、47都道府県でわずかに東京都と愛知県だけだそうですね。

 こういったポイントを見ると、まるで国が地方に対して「お金を出すから口は出すな」と言っているようにも思えます。