今回の調査結果の全体満足度の平均値に対して、それを上回る管理会社は9社しかなかった。それ以外は平均以下ということになる。平均値63.3点に対して、大差がつく管理会社も見られる。上位9社の市場シェアは3割に満たないと思われるので、市場全体としては寂しい限りである。同一サービスで管理費に大きな差が出ることは合い見積もりをする限り、あまりない。満足度が低いなら、管理会社のリプレイスを考えることも1つの選択肢であると考えられる。

 データが多いので、本コラムでは上位9社の開示に絞っているが、一定のサンプル数がある管理会社は「住まいサーフィン」上で詳細を情報開示している。自らが関係している管理会社のランキングを確認しておくことをお勧めしたい。

管理会社の収益構造から見える
入居者にとってのサービスレベル

 では、このランキングに掲載されないケースを想定してみよう。サンプルが一定数に達しない管理会社のサービスが高い確率は低いと考えた方がよく、顧客満足度はもっと悪い可能性が高いと思われる。なぜなら、ノウハウの蓄積は管理戸数に比例するし、管理物件が特定のエリアに集中している方が管理のサービスの質やスピード感は優れているケースが多いからだ。

 先ほど、納得が行かないなら管理会社のリプレイスが検討に値するという旨を書いたが、マンションごとにどこの管理会社を選ぶべきかは違ってくる。なぜなら、管理会社にも収益構造があるからだ。それは物件が分散しているよりも集中している方がやりやすいということになる。人の移動時間が短いとコストパフォーマンスがよくなるので、管理会社にとっても入居者にとっても、win-winになりやすい。その意味で、売主が集中的に供給しているエリアの物件はサービスレベルが上がりやすい。リプレイスする候補としても、そうしたエリアに強い会社の方がリーズナブルな価格設定がなされることが多い。

 居住者が管理会社に何を求めているかを確認したところ、理事経験者、未経験者ともに上位は同じで、「フロント担当者の優秀さ」「最低限の業務遂行」「管理サービスのラインナップ」「サービスの質」の4項目だった。

 下記のグラフに見るように、この中でも理事経験者と未経験者の間で数値が最も差があったのは、「フロントスタッフの優秀さ」であり、これが最も重要視されている(フロントとは管理人やコンシェルジュではなく、物件担当として理事会に参加する管理会社の担当者を指す)。理事は理事会などで管理会社のフロント担当と接し、そのパフォーマンスにシビアな目が向けられていることがわかる。理事未経験者は接する機会がないためか、表面的な要素で判断する傾向が強く、経験者に比べコストやブランド力を注視する割合が高いと言える。