今までに1万人以上の食事カウンセリングをしてきましたが、特に男性に多いのが、とにかくダイエットのために「カロリー」ばかりを気にしている方です。しかし、実はカロリーばかりを気にして“あること”に気をつけないと、残念ながらダイエットにはつながらないのです。

 そこで今回は、ダイエットのためにカロリーとどう付き合えばよいのか。そのポイントをお伝えしていきます。

そもそも「カロリー」とは?

低カロリーでヘルシーだと思い込んでいるその食事。実は痩せないどころか、不健康になる恐れも

「カロリーを摂り過ぎたから運動しなきゃ」「お菓子はカロリーが高いから控えなくては」などダイエットを気にしている方の多くは、「カロリー」という言葉に敏感です。

 そもそも「カロリー」とは何でしょうか?

 カロリーとは、熱量(エネルギー)を表す単位です。栄養学ではキロカロリー(kcal)が標準的な単位として使われています。一般的には、エネルギーよりもカロリーという言葉の方が、皆さん馴染みがあるかと思います。

 エネルギー(カロリー)摂取量は、食品に含まれるタンパク質、脂質、炭水化物の合計を示します。この3つの栄養素だけが私たちの体のエネルギー源として利用できるので、このエネルギー(カロリー)を摂取しなければ、私たちは生命活動を維持することができません。カロリーばかりを気にして摂取カロリーを極端に減らすことは、健康にとってよくないとも言えるのです。

カロリーを気にしているのに
スムーズに痩せないAさん

 ダイエットのために、カロリーを意識的に1日1500kcalまでと決めているAさん(男性43歳)。最初の1週間で少し体重が落ちたものの、それから2週間続けてもあまり体重に変化が見られません。

<1日の食事内容>

朝食(350kcal)
 メロンパン(350kcal)、ゼロカロリーコーラ(0kcal)
昼食(460kcal)
 とんこつラーメン(460kcal)
夕食(684kcal)
 鶏の唐揚げ(390kcal)、ビール350ml×2本(294kcal)

1日の摂取カロリー 1494kcal

 Aさんの1日の推定エネルギー必要量を年齢から見てみると、1日2650kcalになります。カロリー摂取を1500kcalに設定してかなりカロリーを抑えているAさんですが、なぜスムーズに痩せないのでしょうか?