トレーニングで筋肉だけを鍛えても
効果がない理由

 体を心地よく動かすには、コツが必要。「運動神経がいい」と言われている人は、このコツをつかむのがうまいのです。それゆえに、

 無理のない動きだから、体を動かすのが楽しい
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 痛みや怪我が少ない
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 運動効果が上がる
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 さらに体が動かしたくなり、運動が習慣化する

 という好循環をつくりだせます。
 ただ、それは決して特別なことではありません。文字通り、コツさえつかめれば誰もがこの好循環を体験できるようになるからです。

 そのコツとは、まさに骨にあります。
「運動」「体を動かす」というと、とにかく筋肉を鍛えて強化することに重きが置かれがちですが、筋肉よりも、私たちの体を内側で支えている骨を意識すると、心地よく体が動かせるコツ(骨)がつかみやすくなります。

 こうした心地よい動きを可能にするには、体の個々のパーツが連動していることが必要になってきますが、それは難しいことではありません。単純明快、ただ「骨を押さえる」だけでいいからです。

 体を鍛えるために筋力トレーニングに取り組んでいる人もいると思いますが、腹筋運動を行っても、強化されるのは腹筋という体の一部だけで、他の部位と連動できるとは限りません。
 トレーニングで腕を太くしたり、胸板を厚くしたりしても、それが即、心地いい動作につながる保証はないでしょう。
 それどころか、特定の部位ばかりを鍛えることで体のバランスが悪くなってしまい、それがケガや痛みの原因になることもあります。
 体を鍛えるなと言っているわけではなく、大事なのは連動性なのです。
 この連動性を確保しているカギが骨にあるとわかれば、運動嫌いの人でも、体を効果的に動かすコツがつかめるでしょう。
 そのために、激しい動き、難しい動きは必要ありません。一般に考えられているよりもずっと簡単な動きでいいのです。

 論より証拠、「骨ストレッチ」の講習会でお伝えしているエクササイズの中から「手のひら返し」と「鎖骨ひねり」を紹介しましょう。