さらに、各県での男女差も見てみたが、順位の高低と男女差とのあいだには特段の傾向は見出しにくく、敢えて言えば、長野県は男女差が小さく、新潟県・島根県・沖縄県・青森県では男女差が大きい。どうやら、男女別という観点では、「長野県は男性が長生きする県」「新潟県・島根県は女性が長生きする県」「青森県は男女とも短命な県」と言ってよさそうだ。

 以下、「女性が長寿な県と短命な県」について、「年齢調整死亡率」でのトップスリーとラストスリーとを比較することで論を進めていくことにする。

短命県には相対的に
がん患者や糖尿病・高血圧・結核が多い

 まず、男性の場合と同様に、上位3県の特徴よりも下位3県の特徴のほうが分かりやすいため、先に平均寿命を短くしていそうな理由を探ってみたい。

 青森県・栃木県・和歌山県、3県の順位が共通して高くなっている(低くなっている)ものを表1と表2に列挙している(ただし今回も、収入や進学率など経済・教育面に関する項目は、説明不足から誤解を生む虞があるため除外している)。また、表には単純に「~数」と表記しているが、すべて「人口あたり」に基づいた順位である。

 なお、表1を見るにあたっては、「がん死亡者数」と「がん死亡率」の違いを明確にしておく必要があるだろう。「がん死亡者数」は、厚生労働省による人口動態調査の各都道府県別の死因データに基づく「女性10万人あたりのがんによる死亡者数」であり、「がん死亡率」は、国立がん研究センターがん対策情報センターのがん情報サービスによる「75歳未満年齢調整死亡率」である。つまり、前者は年齢に関係なく単純に女性人口10万人あたりで捉えられているため、平均年齢が高い県ほど数値が上昇する傾向にある。一方、後者は“75歳以下の年齢調整済みの”がん死亡率である。年齢構成として高齢者の比率が高くなればなるほど「がん死亡者数」も多くなるのは当たり前であるため、食・生活習慣との関係をより直截的に反映しているのは「がん死亡率」のほうと考えてよい。

◆表1:直接的な要因と考えられる事象

※数字は都道府県別順位(以下同様)

◆表2:間接的な要因になっているかもしれない食材消費量・生活習慣など

 表1には、それこそ平均寿命を下げそうな病名・原因が並んでいるが、青森県の女性はがん全般と糖尿病の割合が高いこと、栃木県の女性は特定のがんと狭心症・心筋梗塞の割合が高いこと、和歌山県の女性はがんの割合が比較的高く、狭心症・心筋梗塞と結核の割合が高いことが分かる。