まず、「発酵食品」についてであるが、発酵食品に腸内環境を整え便秘を軽減するはたらきがあることは周知の通り。便秘は男性とってよりも女性にとってより深刻な問題であり、コレステロール値上昇による動脈硬化や大腸がんなどの原因になることも知られている。つまり、女性長寿県では、発酵食品の摂取が生活習慣病の抑制に繋がっていると考えられる。

 次に「牛乳」であるが、牛乳がカルシウム摂取のための重要な食品であり、と同時にカルシウムの摂取は、こちらもまた男性よりも女性にとってより深刻な問題である骨密度減少を先延ばしにしてくれる。一方で、女性が寝たきりになる原因の半分は骨折であり、寝たきりになれば健常でいるよりも寿命が縮むと考えることに無理はないだろう。つまり、女性長寿県では、牛乳の摂取が寝たきり防止だけでなく、活動量を支えることにも繋がっていると考えられる。

 さらに「緑茶」であるが、こちらもまた、カテキンなどのポリフェノールに殺菌作用や抗酸化作用があることは知られている。ただし、ポリフェノールの摂取量に関しては、緑茶だけでなくコーヒーも考慮する必要がある(日本人の場合、摂取ポリフェノールのおよそ半分はコーヒー由来と言われている)。ちなみに、6県の中でコーヒーの摂取量が多いのは島根県と青森県、少ないのは栃木県と長野県である。緑茶とコーヒーの摂取量は相補的であると考えられるため、両者を合わせると、「島根県は多く栃木県は少ない」ということになる。

 最後に、小中学生の肥満率であるが、小中学生はたいがい親と同居しているわけで、食生活は自ずと親との共通性が高い。となると、長野・新潟県の女性は相対的に太りにくい環境、生活習慣で過ごしていて、青森・栃木県の女性は相対的に太りやすい環境、生活習慣で過ごしていることになる。

 そこで、「砂糖」と「食用油」の消費量を調べてみたのだが、結果は意外なもので、6県の順位を列記すると次のようになっていた。

≪砂糖の消費量≫
  長野県:1位、島根県:6位、和歌山県:8位、
  新潟県:25位、栃木県:29位、青森県:34位

≪食用油の消費量≫
  長野県:3位、島根県:7位、栃木県:8位、
  青森県:9位、新潟県:22位、和歌山県:32位

 やはり、日頃の塩分・糖分・油分の摂取量が多めであっても、「乳酸菌・酵母菌など」「カルシウム」「ポリフェノール」を上手く組み合わせた上で、「汗をかく」ことを合わせて実践すると、よりよい結果を得られるということのようだ。

(吉田 克己)

参考図書:『統計から読み解く 都道府県ランキング』