2010年はみなさんにとってどのような1年でしたか。「大激変の年」だったのではないでしょうか。

 デフレの長期化で企業経営は非常に厳しい状況が続いていますが、一方で今年1年間は世の中に新しい胎動が見られ、次の一歩につながるような流れも現れはじめています。

 私自身、今年はたくさんのメディアから取材を受けました。1つ1つは関連性がないテーマですが、それらを俯瞰してみると、次のビジネストレンドがいくつか見えてきました。

 来年は何が売れるキーワードになるのか。新たに着目すべき市場や商品特性とは何か、今年の流れからをまとめたいと思います。

さまざまな「変化の胎動」を感じる
2010年のトレンドキーワード

 2010年のトレンドキーワードをまとめると、以下の8つのテーマを挙げることができます。

1.地方発(離島・B級グルメ、街づくり、県産品、町おこし、商店街活性化)
2.流通業の変化(百貨店業界の巻き返し戦略、GMSの新しい取り組み、SPA業界、ファストファションブランドの隆盛)
3.価格競争(激安戦争、激安業態、低価格飲食店の隆盛、新しいリサイクルショップ)
4.ライフスタイルの変化・価値観の変化(子ども、高齢者、おひとり様など)
5.新業態開発(会員制ディスカウントストア、買い物弱者向けスーパー)
6.異業種参入(一般企業による農業ビジネス参入)
7.街・立地の地殻変動(銀座、新宿、原宿の変化、ネットへのシフト)
8.アジア進出・外国人観光客の取り込み(銀座詣で)

 今年1年だけでも、さまざまな「変化の胎動」が感じられるテーマかと思います。もちろん今年になってはじめて登場したものばかりではなく、これらはすべて以前から変化の兆しが現れていたものが大きなうねりになり、トレンドとして形成されたのです。

 私はこれを軸にして、「2010年ビジネストレンド番付」というものを作ってみました。

 番付で有名なものには日経MJの「ヒット商品番付」がありますが、ヒット商品に限定していることもあるため、ここでは商品以外の「ビジネスの潮流」や「トレンド全体」に幅を広げて、「2011年の時流を読むための番付」を考えてみました。