妙に納得した
妻のマスコミへのひと言

 起農当初の妻は、畑仕事も手伝ってくれていたのですが、途中からは水やり程度で何かと理由をつけてノータッチ。
 少し不思議に思っていた頃、マスコミの取材があり、私が席を外したときに記者の方から「奥さんも畑仕事をしているのですか?」と聞かれ、「いえ、私はしません」とキッパリ。
 その会話が聞こえてきて物陰で聞いていると、

「私が畑仕事をできるようなったら、ダンナはあんな性格なので、呼ばれたら全国どこへでもホイホイと講演に行ってしまいます。私が畑仕事をできなければ、長期間家を空けるわけにいかないでしょう」と。

 その言葉を聞いて、妙に納得してしまいました(汗)。

 ともあれ、家族だからこそ同じ仕事をしていると、つい厳しくあたったりしてしまいます。特に、畑仕事は状況ごとにやることもあるのでなおさらです。

 そう考えると、こうやって役割分担しているほうが無理なく続けていける方法なのかもしれないと実感しています。 

洋菓子か?和菓子か?
利益から逆算した「原価率」を考えよう

『農で1200万円!』 の6次産業化の目的のところで触れましたが、加工の目的は、忙しくなることではなく所得(利益)を増やすことにあります。
 ここをきっちり押さえておかないといけません。

 その視点で考えると、必要なのが原価率の考え方です。

 風来ママのお菓子の中ではシフォンケーキや季節のスイーツが人気です。
確かに洋菓子は売れるのですが、小麦粉などの原材料コストはかなりかかります。

 また、サツマイモのパウンドケーキといった自家製野菜を使う商品も、洋菓子の場合、小麦粉、バター、卵などがほとんどで、材料費の比率で言うと1割にもいきません。
 最近では、バターなど乳製品も高騰するときもあり、油断はできません。

 その点、日本人にとっての和菓子は、身近な材料でつくられています。

 よもぎ団子やかきもちの主原料は米ですし、米なら農家ネットワークを通じていいものを低価格で仕入れることもできます。

 風来の場合、洋菓子の原価率は3割ぐらいですが、和菓子は1割5分ぐらいとなります。

 ただ、洋菓子は和菓子に比べて単価が高く、人気もありますので、一概に和菓子のほうがいいとは言えませんが、そのあたりのバランスを考えることが必要です。
 いくら売れても、手元に残る利益が少ないと意味がありません。
利益ベースで考えることは、とても大切なことだと思います。