セット販売で
売上が大幅アップする理由
農産物に付加価値をつけるというと、加工すると考えがちですが、付加価値で収益を上げると考えると、セット販売はとても有効な手段です。
野菜単品では100円程度のものも、セット販売だと、2000~3500円(すべて税抜、セット販売をスタートした頃は1500円のセットもあり)で売れます。
もちろん、それに見合った分の野菜は用意しなければならないのですが、売れるとわかっていれば安心して栽培もできますし、こちらで野菜を選べるので野菜のロスも少なくなります。そうすると、野菜のおまけもできます。
なによりも、まとまった売上があるというのがありがたいことです。
現在、風来での野菜販売は野菜セットのみにしています。
実野菜など多く穫れた野菜に関しては、野菜セットを頼まれた方のみ単品追加できるようにしています。
野菜を育てる能力と
野菜セットを組む能力は違う
ただし、つくづく思うのが、野菜を育てる能力と野菜セットを組む能力は違うということ。
いくら豊作だからといって、大根を3本も入れては家庭で使いきれません。
農家としてはおまけのつもりでも、購入された方からすると、これも料金のうちなのか!と逆効果になることもあります。
農家自身が、いかに主婦の気持ちになれるかが大切です。
このくらいの量と種類があれば、家族4人なら1週間で使いきれるかな?
と、たくましい想像力を働かせることが必要です。
幸い私の場合は、ひとり暮らしも長かったことと、料理好きだったということが役立っています。
そして、『農で1200万円!』 の栽培技術の箇所でも触れましたが、日本人は食に対して意外と保守的です。
風変わりな野菜よりもスタンダードな野菜のほうが喜ばれますし、市販のものと比較してもらえるので、すぐに違いがわかります。
また、ひと箱にどの野菜をどのくらい入れるかに関しては、近くのスーパーを観察しました。
日本では、野菜をパック詰めか袋詰めしているものがほとんどで、長年かけて今の量に落ち着いたのだと思います。
ですから、スーパーで売っている野菜の量と数を参考にするのが、最終消費者に満足してもらう一番の近道だと実感しているのです。
先人の知恵は、どんどん利用させてもらいましょう。