計算能力は抜群ながら
問題文を計算式にするのが一苦労

【物理】 当たり前の前提条件がわからない

 物理では、ひとことでいえば、問題文を東ロボくんが計算できる形の計算式にまで噛み砕く過程の設計が難しい。人間にとっては常識だったり、物理の問題としては当たり前の前提条件のため、敢えて問題文に書いていないものを判断して加えたり、逆に計算には不要な情報を抜きとるところだ。

 たとえば、物体Gがあったとき、常に重力加速度9.8m/秒が働いていることは問題文中には書かれていないが、問題を解くときにはそれが前提になっている。

 図の読み取りも同様だ。図には暗黙の了解事項があって、省略されていることが多く、計算式に置き換えるときに、多くの情報を足さなければならない。そもそも「図1のように」といった“前フリ”が意味するところを理解するのも、東ロボくんは苦手とする。

 今回の模試では、問題文から計算式までの工程を増やすなどのさまざまな工夫が結実したのと、計算式にしやすい「ばねと重り」など力学分野の出題範囲だったことで比較的高得点を得られた。

 問題文を計算式に置き換えるプログラムを、問題のタイプに応じてつくりさえすれば解けるのだが、試験問題は毎年新しいパターンが出るので、永遠に新しいプログラムをつくり続けなければならない。

【世界史】 抽象的な言い方や言い換えに当惑

 教科書とWikipediaをデータベースとし、選択肢と問題文を照合して、一致率の高いものを選ぶという方法で、安定した点数を維持している。国語や英語に出てくる問題文と違って、文脈が短いものが多いので、意味を理解しなくても、答えられるものが多いのだ。

 ただし、さらに正答率を上げていこうとすると、単に世界史に関する記述のデータベースを加えればよいというものではない。新しいデータを加えれば、精査するときに邪魔になる情報も増えることになり、絞込みの精度が下がる。

 また、短い問題文であっても、「それまでの風潮に批判的な文化が生まれた」などの抽象的な言い方をしていると、意味をとれず、また、その問題文のなかだけで通用する、「国内では」、や「同盟国以外で」などの言い換えには対応していないので、言い換えが出て来る問題にも正答できない。