貴重な社会体験が子どもたちの
考え方や行動に劇的な変化をもたらす
「うちの子は将来、社会人としてちゃんとやっていけるのだろうか……?」
子どもが高校生ぐらいになると、保護者にはそんな心配もチラついてくることだろう。
近年、変化の激しい社会を生き抜く社会性や職業意識を育もうと、キャリア教育に取り組む団体が増えてきた。しかし、大学に進学する割合が5割を超えている今日においても、長期的な視点に立ったキャリア教育よりも、目前に迫る大学進学の指導に重点を置く高校は少なくない。
そんな状況下で、学校の外に目を向けてみると、若者にリアルな社会経験プログラムを提供する団体が意外にも多いことに気づかされる。
例えば、東京都文京区を活動拠点としているNPO法人Curiosity(キュリオシティ)が実施しているのは、高校生向けの社会体験プログラム「まじプロ~高校生起業体験コンテスト~」。イベントや物販などの企画をアイデア出しから実行まで、高校生がグループで行うものだ。
過去の「まじプロ」では、地域の商店や起業からの広告費を得て、同じ地域の女子高生に向けたフリーペーパーの作成をはじめ、地域の小学生と親子向けに藍染めハンカチづくり体験、あめ細工づくり体験、留学経験のある高校生が語学力を活かして、小学生が楽しめるゲームやダンスなどの国際交流といったイベントなど、様々な起業体験が行われてきた。
今年度は、「2020年にむけて、『いま』のキミができること」をテーマに、来年1月まで活動している。
高校生は社会体験を通じて、「働く」とはどういうことか、チームワークやコミュニケーションの大切さなどを学ぶという。参加した高校生が寄せた以下のコメントからも、その学びの大きさが窺える。