聴覚を活かして集中力を上げる

 これまでは、主に「視覚」を使って記憶を定着させてきました。今度は「聴覚」を使った方法です。

音楽の力を借りて、集中できる環境をつくるのです。

「本を読もうと思っても、なかなか読めない」と言う人がいます。その理由の一つとして考えられるのが、「集中できない」ことです。そして、本を読まなくてはならないときほど、つい携帯をいじったり、今やらなくてもいいメールの返信をしたりなど、集中とは真逆の行為をして、自分で勝手に「読まない言い訳」をつくってしまいます。身に覚えのある人もいるのではないでしょうか。

 そうならないために、私は「音楽を聴きながら読書をする」ことをおすすめします。

なぜ音楽がいいかといえば、「リズム」があるからです。曲のリズムに身を任せていると、周囲のよけいなものや雑音が気にならなくなっていきます。なかでも、AKB48やジャニーズなどのアイドルソングはノリがいいので、そのテンポにノッているうちに、いつのまにか集中モードに入ることができます。アイドルの楽曲などいわゆるヒットソングは、心臓の鼓動に近いリズムでつくられていると言われており、そのテンポに同化しやすいのです。

大切なのは、ノリのいい曲を選ぶことです

 いくら好きな音楽でも、テンポのまったりとした曲、クラシック音楽などは、ノリづらいのでおすすめできません。また、バラード系の恋愛ソングも、歌詞に聞き入ってしまう傾向があり、避けたほうがいいでしょう。どうしても日本語が耳に入ってきてしまうという人は、洋楽にシフトしましょう。

 通常、1曲はだいたい3分間くらいですから、「1曲聴く間に1冊読む」と決めれば、スピードアップして読む訓練にもなります。

「『ながら』勉強はダメ」とよく言われます。効率が悪いからというのが理由のようですが、そもそも勉強しなくてはいけないのだったら、「ながら」でもいいからやるべきと、私は考えます。

 もともと集中してできる人は別として、多くの人はなかなか集中できません。集中できない挙げ句に勉強そのものをやらなくなってしまうくらいだったら、音楽を聴きながらでもやったほうが最終的には結果につながります。