老後を「薬漬け」にしないために40代でできること健康を保つための「5つのこと」の一つに、「1日30分程度の運動」があります

全身に関わるアンチエイジング

 日本人の平均寿命は男性81歳、女性87歳ですが、健康寿命は男性71歳、女性76歳と言われています。そして、平均寿命は徐々に伸びているのに、健康寿命はほとんど変わっていません。すなわち、男女ともに、平均すると人生の最後の10年余りは不健康に(たとえば病院や介護施設内などで誰かのお世話になって)過ごすことになり、その不健康な期間が今後ますます長くなる可能性があるのです。

 このような状況を見ると、若いうちから「アンチエイジング」を実践することが極めて重要だと言えます。「アンチエイジング」は様々なシーンで使われる言葉ですが、日本では「アンチエイジング医療」=「美容医療」と捉える傾向が一般的に見受けられます。

 しかし、本来のアンチエイジングとは、身体年齢の老いを遅らせることであり、外見だけではなく身体の中から若返ることを指します。

 美容医療でおなじみの皮膚のアンチエイジングに加えて、心臓血管、脳、消化管、骨・関節など、アンチエイジングは全身に関わってきます。「病気にならずに健康で生き生きと人生を歩み抜くために必要なことに積極的に取り組む営み」がアンチエイジングなのです。

40代から意識しよう

 アンチエイジングを特に強く意識すべき年代は40歳代以降と言われています。40~65歳くらいの社会を支える年代こそがアンチエイジング医療の主役です。

 実は、この時期にいかに健康管理を積極的に行えたかが、それ以降の高齢期の健康状態に大きく影響することがわかってきています。つまり、40~65歳の時期に効果的なアンチエイジングを実践できた人は、高齢期の無病・健康につながります。

 反対に、この時期に不摂生な生活を送ると、高齢期には認知症、脳梗塞、心筋梗塞などに陥る傾向にあることがわかっています。