二日酔いで顔がむくむ。多くの人が経験済みのことだが、ちょっと不思議に思わないだろうか? アルコールには利尿作用がある。だからトイレが近くなったり、結果として喉が渇いたりするわけで、ならば飲酒はむくみの解消につながるとも考えられるのではないか? だが、この利尿作用とのどの渇きも、むくみの一因とされている。

 酔いのせいで水分の調節機能が低下したところへ、次々と水を流し込むことになり、身体が水分を溜め込んでしまうのだ。ただしこの場合は、欲求どおり水分を摂っておいたほうがいい。何度もトイレに行くことになるが、そのたびに肝臓が分解した物質と一緒に水分も排出されるからだ。飲酒時や飲酒後に水分を摂るのは、後述するがその後の排尿とセットで非常に重要だ。

 またアルコールには血管を拡張する作用もある。これは血管透過性が亢進した(進んだ)状態、つまり血液中の水分が外へ染み出しやすい状態でもあるのだ。毛細血管からそこに留まるべき体液が血管の外へ染み出している様をイメージしてほしい。「むくんでいく」過程そのものだ。

 加えて塩分の問題がある。酒に合うとされるつまみや一般的な居酒屋のメニューにはたいてい塩分が多くふくまれている。塩分濃度が高くなると身体は水分を求めたり、溜め込むことで調整を試みる。これもむくみの一因だ。また「酒がすすむ」という点も、むくみ予防の観点からは好ましくない。塩分の少ないつまみ、調味料の量を自分で加減できるつまみを選ぶのがいいだろう。

 アルコールの作用が二日酔いやむくみの原因なのだから、飲酒後にはトイレと水分摂取の繰り返しでとにかく「酒を抜く」ことだ。そして寝る前には必ずトイレに入るべし。酔いつぶれたまま「酒を抜かずに」眠るのはむくみ防止のためにも、二日酔い防止のためにも避けたいところである。うつむけに眠るのも絶対にやめておきたい。

 他にも、むくんでしまった場合の顔マッサージ、飲酒前の肝機能強化サプリなど、二日酔いやむくみを防ぐためにできることは数多い。いずれも試して損はないが、個人差こそあれ劇的な効果は望めない。できることをしたらあとは時間経過に頼り、酒が抜けるのを待つしかないのだ。

 酒は適量なら心身の健康によいとされるが、個人差はあるが適量はさほど多くない(*2)。忘年会や新年会など「飲み会」の多くが「ほどほどの飲酒」で済むとは思えない。細かいことを気にせずその場を楽しむのもアリだが、二日酔いやむくみを避けたいなら一にも二にも酒量を抑えることだろう。

(ライター 工藤 渉/5時から作家塾(R)

 参考URL:

 *1 厚生労働省 二日酔いのメカニズム
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-005.html

 *2 サッポロビール 適正飲酒のすすめ
http://www.sapporobeer.jp/tekisei/kenkou/susume.html

 厚生労働省 飲酒のガイドライン
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-003.html