人がカブリついた串は不衛生、手が汚れるのはちょっと……

 ネット上では賛否両論を呼んでいる“焼き鳥論争” だが、筆者の周辺で聞き取りしたところによると、「串から外す派」が多数を占めた。意見として最も多かったのは、やはり「串から外して取りわけたほうが、大人数で食べやすい」というものだった。

 たとえば、3人で焼鳥屋に入ったとすれば、同じ串を3本を注文することができよう。1人1本を自分のものとして、そのままカブリつけばいいのだ。しかし、20人だったらどうだろうか。ハツ、つくね、レバーといった定番メニューを20本ずつ頼むのは無理があるように思える。ならば、注文するメニューの種類を増やし、串から外して食べれば、20人が自分の食べたい焼き鳥を少しずつ食べることができる。

 この発想の根底には、「人がカブリついた串に、後から自分がカブリつくのは不衛生」という考え方がある。また、「何度も串に触ると手がベトベトしてしまうため、いっぺんに串から外して、取り分けてから食べたい」と感じる人も少なからずいた。

 さらに、こうした実利的な理由だけではない。そもそも、焼き鳥が提供されたら他の人に配慮して取り分けることが当然の“マナー”だと思っている人も多い。かくいう筆者もその口だったため、焼き鳥を串に刺すことこだわりを持っている提供側や、串から外すことを良しとしない通人がいることに、思い至ることすらなかった。

 いつのまにか暗黙の“マナー”として認識し、深く考えずになんとなく串から外していた派としては、今回の論争は焼き鳥の奥深さに触れるよい機会だったと感じた。