どんな関係も「ゆるいまま」に
しておいたほうがいい

 親しき仲にも礼儀あり。思う仲には垣をせよ。
 これはどんな人との関係にも共通するルールではないでしょうか。
 親子、兄弟姉妹、友人、夫婦、恋人、ビジネスパートナーなど、どんなに親しくても越えてはいけない一線があるものです。
 たとえ血縁関係があるとしても、それぞれが「個」として存在しているという事実に変わりはありません。家族といえど、一心同体でも、何でも以心伝心できるわけでもありません。
 ですので、近すぎると、相手と自分の関係が見えにくくなります。その状態が本当にお互いのためになるのかが、わかりづらくなってしまうのです。
 そこで必要なのが、距離を置くことです。

 心の距離も物理的な距離も、ほどほどにとっておくことです。
 接近しすぎず、さりとて離れすぎない、というように、相手との「間合い」をはかるといいでしょう。これはどんな関係においても重要です。
 強く締めすぎることもなく、逆に無理にほどこうともしない、去る者は追わず、来るものは拒まず、というところです。

 人は移り気ですから、その時々の状況次第で付き合う人が変わります。何かのきっかけで急に離れてしまうこともあります。どちらからともなく徐々に会う機会がなくなったりもします。
 付き合いが変わるのは、現実的な関係性の変化ということもあるでしょうが、お互いが成長する過程での別離ということもあるのです。

 どちらであれ、普段から自分が人との関係にゆるさを心がけておくと、とにかく楽なものです。無用なわずらわしさや息苦しさに悩まずにすみます。

 トラブルの多いネットの世界でも、ゆるい関係をきっちり保てればトラブルはかなり減るのではないでしょうか。逆にトラブルが増加傾向にあるというのは、どこかで皆、間合いを間違えているのでしょう。