介護福祉士資格取得で
日本で働き続けられるように

 技能実習生と並んで新たに突破口が開いたのは留学生の専門職への道である。在留資格に新たに「介護」が加わったことで、介護福祉士の資格さえ取得すれば、卒業後に在留資格を「留学」から「介護」に切り替え、就労ビザで長く日本で働き続けられる。

 技能実習生と違って、期間制限ない。これまでは、介護福祉士の資格を取得しても、介護の仕事はできなかった。

 来日後に福祉施設で最長週24時間のアルバイトをして現場体験を重ねながら、介護福祉士養成施設で学んで資格取得を目指す留学生が増えるだろう。

 各地の介護福祉士の養成学校ではアジアからの留学生が急増している。専門学校や短大で構成する日本介護福祉士養成施設協会(東京都千代田区)によると、これまで20人ほどだった留学生の入学者が昨春は257人にも増えた。

 2022年度以降は介護福祉士の国家試験を合格しなければならないが、それまでは2年以上学んで卒業すれば資格を得られる。

 ベトナムやネパールからの入学者が増えており、この数年急増している両国からの在留者がますます多くなっていきそうだ。

 こうした留学生からの専門職ルートには先例がある。医療機関が看護師育成に乗り出している。

 板橋中央総合病院(東京都板橋区)を中核とするIMSグループは中国人看護師を日本に呼び入れ、日本の看護師資格を取得してもらい、その後3年間はグループの病院で働く仕組みを作った。受験に備えた教育機関とも連携し受験期間の生活費や家賃を提供している。

 2014年の看護師試験の外国人合格者176人のうちIMSグループから40人、その前年は176人のうち53人が同グループだった。相当の高率である。14年までの6年間で166人が合格しており、受験者は168人だからほぼ全員合格するという実績だ。

 外国人が看護師試験に臨むには、日本語能力が最高度の「N1」を取得していなければならない。同グループでは、中国で日本語学科を持つ学校と連携して「優秀な」看護師を留学生とすることに奏功しているようだ。

 こうした相手国機関との連携が介護分野でも大きなカギとなるだろう。

 また、経団連は、介護福祉士よりも資格取得が容易な「介護職員初任者研修終了」者が就労と在留資格の更新ができるよう求めている。そうなれば、裾野は大きく拡大することになる。

 政府は、このほかに、EPAで来日した介護福祉士の資格取得者に訪問介護
を認めることにし、この4月から実施する。

 これまでの勤務先は、日本人職員が一緒の特養などの施設に限られていた。訪問介護は1人で高齢者の自宅などを訪問し、掃除や買い物、食事、入浴、排泄介助などを行う。

 言葉や食事など生活習慣の違いがあるため、訪問介護は難しいと見られていた。受け入れ調整機関の国際厚生事業団が事業者を調査し、母国語での相談窓口を拡充して不安の払拭に乗り出すと言う。

 施設だけでなく、訪問介護のヘルパー不足も深刻になっていることへの対応だ。EPAの介護福祉士試験の合格者が極めて少なく、広がりは期待でないが、外国人介護者への抵抗感が薄れていく一助となるだろう。