「罰する」のではなく「教える」コツ

■子どもが人を叩いたときは?
 子どもの目線までかがみ、目を見て、やさしく断固とした声で「叩くのはいけないことよ。人を傷つけるから」と言う。長々と説教しない。
「お友だちはいま、どんな気持ちかな?」とたずねる。子どもが答えなければ、叩かれた相手にたずねるか、あなたが見た状況を説明する。

「悪い行動」を「良い行動」に置き換えて説明する。「人を叩くのはよくないけれど、○○するのはいいわよ」「あなたに叩かれて、ママはすごく腹が立ったわ。他の方法を使って怒っている気持ちを伝えるには、どうすればいいかな?一緒に考えようね」

「もう一度誰かを叩いたら、帰るわよ」とルールを持ち出す。
 次にお友だちを叩いたら、ただちにその場から去る(子どもがかんしゃくを起こしても、親はできるだけ冷静に)。「わかった。ケガをしたら大変だから、すぐに帰りましょうね」

 落ち着いている時間を使って、「お友だちを叩いたら帰る」とルールを決め、子どもにしっかり把握させる。叩いた原因を突き止めて、他の方法で気持ちを伝えるにはどうすればよかったかを話し合う。
("Help! My Preschooler is Hitting!" growparenting.comより許可を得て引用)

■子どもが口答えしたときは?
 意地悪ではない口調で毅然と考えを話してから、前に進みましょう。
「ママは、そういう話し方が好きじゃないの。わが家では、お互いに優しい言葉を使いましょうね」
「そんなふうに呼ばれるのは、ママはいやだわ。ママに腹を立ててもいいけれど、名前の呼び捨てをしてはダメよ」
「そんな意地悪をするなら、このゲームはやめましょう。いやな気持ちになるの。別の場所で違うことをしましょう」
「乱暴な言い方はやめて。ママは乱暴な言葉づかいで話していないでしょう」
(最後の3つの例は"What Should I Do If My Child Talks Back?" parents.comより)

■きょうだいがケンカをしたときは?
 ある男の子のママは、兄弟を向かい合わせにして腕をクロスさせた状態で互いの手を握らせ、スクワットさせながら、「僕は君のせいで困っている。きみは僕のせいで困っている」と唱えさせるそうです。最後には息子たちが笑って抱き合うのだとか。素敵ですね。
「チョイスの円」を応用するのもよいでしょう。

(この原稿は書籍『いまの科学で「絶対にいい!」と断言できる最高の子育てベスト55』から抜粋して掲載しています。本連載は今回で終了になります。続きはぜひ書籍版でお楽しみください)