ところが、60歳時点の残高が1000万円以上だと、60歳までに返し終えるのは格段に難しくなる。みなさん、借りる前は「繰り上げ返済をガンガンするつもりだから、大丈夫」と言うのだが、繰り上げ返済をガンガンすると、子どもの教育資金や自分たちの老後資金の貯蓄ペースが落ちることになる。高収入の共働きで、かつマイホーム購入前から毎年まとまった額の貯蓄をしているカップルでない限り、「貯蓄をしながら、ガンガン繰り上げ返済」は難しいと認識したほうがいいだろう。

 子どもの教育費は、親が想像する以上に負担が重い。大学進学のための資金を高校卒業までに準備できていない家庭も多く、現在は大学生の約2人に1人は奨学金を借りているという状況だ。

 3つめの「子どもの教育費を出しつつ、貯蓄も可能な返済額とする」のも忘れてはいけないチェックポイントだ。特に若い共働き夫婦が結婚後すぐにマイホームを購入すると「会社に近く便利な場所に住もう。共働きなんだから、家賃代わりに月15万円くらいなら返済できそう」と、毎月返済額を高めに設定するケースが多い。

 その後、子どもが産まれると、妻は産休・育休中は大幅な収入ダウンとなり、職場復帰しても時短勤務をすると給料は20~30%減る。子どもの保育料もかかり、支出は大幅にアップする。収入ダウン・支出増のなか、毎月15万円も返済を続けるのはラクではない。もちろん、ローンはがんばって返済するのだが、そうすると貯蓄ができないというスパイラルに陥るのである。

金利ミックス、
返済期間ミックスを活用する!

 返済期間を65歳までにすると、毎月返済額が多くなりすぎるという場合、それは借入額が身の丈以上だというシグナルだ。ここは冷静になり、物件価格の予算を見直したり、頭金を増やしたりと再考する必要がある。

 厳しい話が続いたので、返済期間の設定でおトクな方法を紹介しよう。ローンを2本組み、金利タイプや返済期間を組み合わせる「ミックス返済」の活用する。印紙税などの諸費用が多少かさむ場合があるが、メリットを考えると利用価値は大きい。