最小時間で最大効率を挙げることを目指している同社では、以前からもっと分かりやすいゴールが必要ではないかとの議論があった。そこで出てきたのが週休3日制の導入。単純作業はAI(人工知能)で代替できないか検討するとともに、定期的に仕事の“棚卸し”をすることで無駄な仕事を減らしていく。まずはトライアルとして週休2.5日制を導入し、2020年ごろまでに週休3日制の実現を目指している。

 もう一つ、ヤフーではユニークな取り組みが行われている。次世代リーダーの育成組織「Y!アカデミア」のプログラムに「グーグルも注目の瞑想法『マインドフルネス』が集中力UPに効く」で紹介したマインドフルネスの瞑想を取り入れているのだ。同社では「メタ認知トレーニング」と呼んでいる。「メタ認知」とは、認知することを認知するという意味で、言い換えれば自分を客観視するということ。Y!アカデミアのメンバーから希望者を募り、週1回、7週間トレーニングを行ったところ、パフォーマンスの自己評価が10点満点の5点から7点超へと2点以上も向上した。

 受講者からは「いまやるべきことを選択できるようになった」「迅速な判断や合理的な判断ができていると上司に言われた」など、効果を実感する声が上がっている。

「心のコンディションを整えることは非常に重要。まずアカデミアで効果を見て、全社に広がっていけばいい」と伊藤羊一・Y!アカデミア本部長は考えている。

【クレディセゾン】
効率高める環境作りを人事評価に組み入れ

クレディセゾンでは、毎週木曜日の午前8時10分から「朝活」を行い、集中力を高めている

 毎週木曜日の午前8時10分。東京・池袋のクレディセゾン本社の会議室では、恒例の「朝活」が始まる。そこで行われているのは、社員の集中力を高めるために導入しているマインドフルネスだ。

 参加者はこの1週間で集中できた/できなかった体験を話し合って共有した後、約10分間瞑想を行い、集中力を高める(写真)。

 クレディセゾンがマインドフルネスに着目したのは、前任の人事担当役員が集中力を高めるツールとして個人的に興味を持ったことがきっかけで、15年8月、1泊2日の研修を行った。研修には部長や課長など幹部を中心に24人が参加。ある幹部は、もともとアンガーマネジメント(怒りのコントロール)に課題があるとされていたが、一連の研修を経て「部下の声を聞く上司になった」と評価が高まったそうだ。

 研修の成果を受け朝活やミニセミナーを実施するようになり、これまでにマインドフルネスを体験した社員は約200人。いまのところ、朝活や研修などへの参加は自主的な希望者が中心だが、社内に浸透させる工夫も凝らしている。

 同社では人事評価制度を見直して、部課長などの幹部職を評価する際に、個人のスキルに加えて、部下のコンディションをどれだけ整えることができたのかという、職場環境作りも重点項目とした。松本憲太郎・戦略人事部長は、「社員が力を発揮しやすい環境作りを重視していることが広まれば、いい人材も集まりやすい」と狙いを語る。