美人は感謝に心がこもっている。「ありがとう」の一言が心に沁みる。言葉だけではなく、感謝を顔の表情や態度に表すので、こちらがうれしくなる。

「ありがとう」を期待して行動する人は少ないだろうが、「ありがとう」がなかなか言えない人には感謝したくなることも起こりにくくなるものだ。自然と感謝の表現は下手になる。

 マニュアルで言わされているどこかの店員とは全然違う。きちんと目を見ているし、口だけや目だけなど部分的な笑顔をつくったりしない。

 大げさに感謝すればいいと思って、場違いな大声を出したり、相手によって声を使い分けたりしても、意外とその「つくっている」感謝は顔や態度に出ているのだ。

 感謝の笑顔ほど「美人のもと」を増やすものはないのではないだろうかと思えるほど、「結果」に例外少なく、反映されているように感じる。

 素直に反応する気持。自分の気持を表す習慣だけで自然と心がこもった「ありがとう」が言えるようになる。

 そして、「ありがとう」よりもっと差が出るのは、「ありがとう」に対しての反応である。つまり「ありがとう」を言われた時にどう反応するかだ。

「ありがとう」に対して「どういたしまして」と言うのが正しい反応であろう。「ありがとう」が上手な人はそんな言葉が自然に出る。しかし、慣れないとなかなか言えないし、「どういたしまして」はかえって不自然な場面もある。ただ、きちんと反応することはできるはずだ。笑顔を返したり、心をこめて会釈をしたり、大きくうなずいたり、「こちらこそ」と言ったり、相手の「ありがとう」への素直な反応を表せばいいだけだ。

「ありがとう」が下手な人は、「ありがとう」への反応も下手だ。反応しなかったり、相手が感謝しているのを無視したり、あらぬ方向を見てうなずいたり。感謝に対する反応が素直でないのだ。感謝されることに慣れていないようで、やはり感謝されること自体が減っていく。「美人のもと」を増やす機会を減らすきっかけにしてしまっている。

 感謝の笑顔に対しての素直な反応。自分も喜んでもらえてうれしいのだという気持。そんな気持の行き来を日常化させること自体を楽しんでいけば、美人はどんどん増えていくはずだ。