先週は、ECB(欧州中央銀行)の利上げとユーロの動きが、外国為替市場の関係者の間で最も注目されたテーマだったかもしれません。
そこで今回は、ユーロを取り上げてみたいと思います。
はずれるかもしれませんが、私はユーロ高が一段落して、いったん1.4ドル割れへ向かうと考えています。
基本的に、ユーロと原油価格は相関性が高い
まずは「資料1」をご覧ください。
昨年、「ユーロ危機」で1.2ドル割れまで急落したのが遠い昔のように、この数カ月のユーロは反発する場面が続いています。足元でも、ユーロの一段高を試す展開となっています。
資料1
なぜ、ユーロはこのように強くなっているのでしょうか?
その最大の理由は原油高でしょう。「資料2」をご覧いただくとわかりますが、基本的に、ユーロと原油価格は相関性が高いのです。
資料2
中東・アフリカ情勢の混乱などを受けてWTI原油が100ドルの大台を大きく超える原油高となっていますが、このためにユーロ高になっているということなのでしょう。
ちょっと気になるユーロと原油の「買われ過ぎ」
それでは、原油価格やユーロの上昇はまだまだ続くのでしょうか?
この点について、ちょっとどうかなと思うデータもあります。「資料3」はニューヨークのWTI原油、WTIの投機筋のポジションに関するデータですが、これを見ると、原油は異常な「買われ過ぎ」になっています。
資料3
WTI原油は、2008年7月に150ドル突破寸前まで急騰しましたが、その時でも投機筋の買い越しは15万枚を超えませんでした。
それなのに、最近の買い越しは一時30万枚近くまで拡大しており、空前の買い越しの状況で、ちょっと異常な感じもします。
このように、ユーロと相関性の高い原油は異常な「買われ過ぎ」になっています。そうであれば、「原油買い」はそろそろ限界が近いのではないでしょうか?