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医師が教える!男性のための「心と体のアンチエイジング」

認知症予防は40代から!「脳の老化」薬の要らない防止法

阿保義久 [北青山Dクリニック院長]
【第6回】

認知症の主役となるアルツハイマー病
40代から要注意

 認知症の原因の約7割はアルツハイマー病、2割は脳血管障害です。脳血管障害の背景には「動脈硬化」があります。

 アルツハイマー病と脳血管障害は急激に発症するものではなく、40代から始まり、気づかないうちに静かに進行します(動脈硬化は10代から始まると言われることもありますが、病的な悪化が始まるのは40代以降です)。ですので、認知症の気配をほとんど感じることがない40代から、将来の認知症発症を防ぐための具体的なアクションを開始すべきなのです。

 認知症を引き起こす疾患の代表格であるアルツハイマー病について詳しくご説明します。

 アルツハイマー病では、脳の萎縮のほか、神経ネットワークの死滅が同時に発生します。神経ネットワークの死滅の原因は、「アミロイドβ」と「タウタンパク(タウとも呼ばれる)」が脳内の蓄積するためだとする説が有力です。2つの物質は脳にとって有害なゴミで、アルツハイマー病が発生する10~20年前、つまり40代から蓄積し始めることがわかっています。まずアミロイドβが40代から溜まり始め、それが脳内に十分溜まると、タウタンパクが脳内で凝集して脳神経に異常を来します。さらにタウタンパクが十分蓄積すると脳神経が死に、脳の萎縮が進むという具合です。

 神経の死滅は記憶を格納する「海馬」から始まるため、もの忘れが目立つ、新しいことを覚えられないといった症状が発生します。その後、脳神経の死滅が前頭葉や頭頂葉にまで及ぶと、行動や思考、空間認識などに障害が生じます。さらに、側頭葉や後頭葉にまで病状が広がってしまうと、遠い昔の記憶もなくなり、言葉がうまく使えず、物や人を見てもそれが何なのか判断できない、といった症状が生じます。

アルツハイマー病発症前に軽度認知障害(MCI)が生じる

 ちなみに、先に述べたアミロイドβやタウタンパクが脳内に蓄積しても、アルツハイマー病はすぐには発症しません。脳神経の死滅や萎縮が潜行すると、まず軽度認知障害(MCI)という前駆状態が5~10年程度続くようです。

 MCIは、「記憶障害は認められるものの日常生活に支障を来さない」状態です。MCIの状態で治療を開始すればアルツハイマー病の発症を遅らせられることがわかっており、この段階に専門医療機関で対処できれば、アルツハイマー病の発症を遅らせ、場合によっては食い止められる可能性があります。MCIであるかどうかは、簡単な認知機能検査や血液検査などで調べられるようになってきています。

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阿保義久 Yoshihisa Abo [北青山Dクリニック院長]

東京大学医学部卒業。腫瘍外科・血管外科医。2000年に北青山Dクリニックを設立。下肢静脈瘤の日帰り根治手術・椎間板ヘルニアのレーザー治療・痛みのない内視鏡検査・進行がんに対する革新的治療―がん遺伝子治療まで、質の高い医療サービスの提供に励んでいる。著書に『アンチ・エイジング革命(講談社)』、『下肢静脈瘤が消えていく食事(マキノ出版)』、『尊厳あるがん治療(医学舎)』などがある。


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「アンチエイジング」とは美容医療だけを指すのではなく、心臓血管、脳、消化管、骨・関節など、全身に関わり、身体年齢の老いを遅らせることが目的です。40代から意識すると効果的で、その対象は40~65歳位の方になります。本連載では、アンチエイジングの概念や体の部位ごとの変化を紹介し、ケア方法を提案していきます。

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