ついにユニー・ファミリーマートホールディングスの中国での10万店構想が動き出すのか――。ユニー・ファミマHDの上田準二社長が統合後6ヵ月で突然の退任、さらに高柳浩二伊藤忠商事副社長の社長就任。ちょっとしたサプライズになった今回の人事も、実はこれから中国を舞台に始まる可能性が高い伊藤忠、ユニー・ファミマのコンビニ事業の前段と考えると自然なのである。(流通ジャーナリスト 森山真二)

飽和状態の日本国内市場
コンビニ各社は中国に活路!?

 国内のコンビニ市場は約5万5000店。すでに以前から“飽和状態”が指摘されており、ついにはサークルKサンクスを傘下に持つユニーグループHDとファミリーマートが経営統合、大手といえるのは事実上、セブン-イレブン・ジャパン、ユニー・ファミマHD、ローソンの3社に集約された。

 しかし、国内コンビニ市場に成長余地は残されているのだろうか。答えは「それほど多くはない」はずである。今後はドラッグストアや食品スーパーに攻め込まれ、競争はますます激しくなるばかりだからだ。

 コンビニ大手の首脳は「国内市場のポテンシャル」を指摘するが、大手が売上高を伸ばせるとすれば下位陣営や他業界である外食企業などからパイを奪うしかない。中堅以下との「格差」が開いているのはその証拠だ。

 突き詰めれば、将来的に見て、コンビニは海外で事業を拡大するしか成長を探る道はないのである。そうだとすると大本命はズバリ、中国である。今後10年、20年かけて中間層が台頭、消費市場が本格的に拡大していくからだ。

 現在、中国での日系コンビニの店舗展開はどうなのだろうか。セブン-イレブンが先行しており約2350店、ユニー・ファミマHDが約1840店、ローソンが約750店となっている。