そこで彼らは、無意識のうちに自分たちの組織を防衛しようとして、他社を例に出して言い訳をしたり、他部門をそれとなく批判したりして、責任の転嫁をしようとします。
私自身が遭遇、体験した営業の「ウソ」を列挙してみましょう。
(1)シェアと前年度比を使い分けます。売り負けたときは前年度比を使い、昨年を割った場合はシェアを持ち出します。
(2)他社に売り負けたときには、「ライバル会社が安すぎて太刀打ちできません」と市場のせいにします。あるいは他社に比べて製造原価が高すぎると、暗に製造部の責任にしてしまいます。
(3)とかく売上数量ないしは売上高が重視されますので、販売価格を犠牲にした「原価割れ」の結果であることは伏せておきます。そして「この不況の最中ですが、なんとか昨年並みの実績を上げました」と胸を張ります。
(4)「品質が落ちる」「うちの技術屋は見劣りがする」「あれほど流通の拠点をつくれと言ったのに」のように、技術部門のレベルの問題や企画部門の責任に転嫁します。
(5)同様に「うちの製品は人気がない」「宣伝部のセンスが悪い」「宣伝にもっと金をかけてほしい」と他部署のせいにします。
(6)「うちには魅力のある商品がない」と、開発力の弱さを指摘します。そのくせ市場の「売れる製品の情報」は流しません。
(7)「あの会社を知り尽くしているA社やB社ですら不渡りをくらったのですから、うちがやられるのは当たり前ですよ」「うちばかりが甘かったのではありません」と、他社を引き合いに出して弁解します。