多くの人間は楽をしたいと思うもの。何度注意されても、ほとんどの人は行動を改善できない。しかしそれでは、会社の利益がどんどん社外へ流出してしまう。社員にやるべきことをやらせるには、どうしたらいいのか――。『儲かる会社は人が1割、仕組みが9割』の著者・児島保彦氏に、その秘訣を聞いた。
結果をしつこくチェックしなければ
意味がない
人間は必ず「楽をしよう」と考えるものです。それが仕事の効率化につながるのなら大いに結構ですが、どうしても「手抜き」や「さぼり」につながってしまいます。気がつけば当たり前のことまで、やらなくなってしまうものです。
これは「いい人材はいないのだから仕方がない」ですますわけにはいきません。そこで確実に会社の利益が漏れていくからです。
では、どうしたらよいでしょうか? 私も脅したりすかしたり、話法を変えてみたり、理論武装したり、あらゆることをやってみましたが、結果は同じでした。「わかっちゃいるけど、やらない」のです。あるいは「言われた直後はやるけれど、すぐに元に戻ってしまう」のです。
社員が当たり前のことをやらない、続かない原因は、「継続させる」ための知恵や工夫を、社長が実行していないことに尽きます。やるべき課題を与えるだけではダメなのです。社員を動かす決め手は、「やったか」「やったか」と繰り返し問い続けることです。
行動計画を立てることは、どの会社もやっているでしょう。しかし、この「やったか」「やったか」を、徹底的に追求する会社は少ないのです。
重要なポイントは、ことあるたびに繰り返し忍耐強く、やるべき課題について「やったか」「できたか」とチェックすることです。
社長は「わかっているはず」あるいは「わかってくれている」といった甘い思い込みを捨ててください。やらないのが当たり前なのです。小学生の母親のように、「宿題はやったのか?」「宿題をすませてから遊びに行きなさい」と、毎日チェックすることです。
「やったか」「やったか」を、社員が最後には「やるしかない」「やらなきゃいけない」と思うまで、繰り返すのです。