ブラックカードとは、クレジットカードの中でも最高峰に位置し、カード会社からのインビテーション(招待状)が届いた人のみにその携帯が許されるカードです。ダイナースクラブのプレミアムカード、JCBのザ・クラス、アメリカン・エクスプレスのセンチュリオンなどがよく知られているところですが、そのブラックカードを持つことでカード会社が提供する様々な特典や各種サービスを無料、もしくは優待価格で利用することができるようになります。
日本ではなかなか利用されない
富裕層向けコンシェルジュサービス
もちろんブラックカード以外でも、いくつかの企業が富裕層を対象にしてコンシェルジュサービスを提供しています。サービスメニューの例としては、プライベートジェットやヘリコプターのチャーター、クルーズ(船旅)のコーディネート、高級ホテルの予約、ハイヤーサービス、投資・資産運用のアドバイス、国内・海外不動産の紹介、医療・アンチエイジングサービスの提供、子どもの海外留学サポートなど。これらサービスは富裕層向け雑誌や各種コンシェルジュサービスを提供しているウェブサイトでも確認することができます。
ただ、富裕層を対象に、コンシェルジュサービスを提供しているある企業の経営者の方にお話を伺ったところ、上記に挙げたようなサービスは日本であまり利用されていないのが実情とのことでした。
とはいうものの、そういった中でも富裕層や経営者、医師といった人たちに比較的よく利用されているサービスもあります。では、どのようなサービスが、どういった理由で利用されているのでしょうか。
富裕層の人たちが利用する
サービスのキーワードは「グルメ」
コンシェルジュサービスを提供している、ある企業がサービスの利用状況を調べたところ、富裕層に一番利用されているサービスはグルメで、具体的には高級レストランの事前予約サービスでした。富裕層と呼ばれる人たちは、名士、財閥といった数世代前からお金持ちのオールドリッチに定義される人たち、自分の代で事業に成功するなどして短期間のうちに資産を築いたニューリッチに定義される人たちに大きく分類されます。調査によると、いずれの富裕層も、それぞれのシチュエーションに合わせて食事の予約サービスを定期的、そして頻繁に利用していたのです。
経営者であれば商談や接待の場として、医師であれば日常の仕事の合間の楽しみとして、また富裕層の人たちはとりわけ記念日を大事にする傾向が強いので、孫の誕生日、結婚記念日といった彼らの特別の日に高級レストランや料亭での食事会、お気に入りの場所でのパーティーなどを頻繁に催します。こういった富裕層の人たちの日常の生活習慣からも、なぜ高級レストランの事前予約サービスが多く利用されているかを容易に理解することができます。