「『本震よりも余震のほうがストレスを生みやすい』と言われているのは、本震の揺れがトラウマになり、脳で恐怖が生まれやすくなって、『またいつか来るのでは』という不安感が強くなるためです。揺れていなくても常に揺れているように感じたり、小さな余震でも大きな恐怖につながってしまうといいます。放射線ストレスも同様です。日本は広島と長崎に投下された原子爆弾によって被爆を体験しています。その過去の記憶が恐怖を生みやすくしており、過剰に反応してしまう傾向にあるようです」

 不安感の強いときは「余震という予期せぬ不安」、「放射線という目に見えない不安」をそれに向き合う行動へ移すこともよいと古賀教授は分析している。例えば、余震が不安であれば避難グッズを作ってみる、地震情報サイトに注意を払ってみるなど、行動に移すことで少し落ち着くこともある。またストレスの強いときは、「一人でいながら一人じゃないと安心のできる場所で、一人の時間を作って、好きなこと、興味のあることをして、普段の緊張をとるように心がけましょう」と古賀教授は語る。

強い不安感とストレスから頭痛や高血圧に
正しい情報を知ることがカギ

 さらに大手町の東京クリニックで頭痛外来を担当する渡辺一夫医師は、強い不安感やストレスがもたらす身体への悪影響を以下のように語る。

「最近は不安やストレスから頭痛や高血圧の症状を訴えるようになる方もいます。特に原発の不安を訴えている方が多いのですが、そういった患者さんには毎日発表されている数字を解説してあげることで解消することがあります。例えば、『1時間あたり0.2マイクロシーベルトだと24時間、365日ずっと外に出ていたとしても、1年間に受ける放射線量は1800マイクロシーベルト程度にしかなりません。これは、世界における1人あたりの自然放射線量(1年間に2400マイクロシーベルト)より少ないよ』といった風に説明をしてあげることが大切です」

 丁寧に説明するとみんな表情が変わる、と渡辺医師が分析するように、正しい知識をもつことが不安解消につながることを覚えておくとよいだろう。

取材を終えて

 私の主宰する財団法人 日本ヘルスケアニュートリケア研究所には震災後、多くの専門家や医師から被災地や被災者ために医療情報を発信したいというご相談を頂きました。マスコミの方のご理解を得ながら数多くの掲載の機会を頂き、今も情報を発信し続けています。普段の仕事を通じて、少しでもお役に立てる機会を頂いたことに感謝をしながら継続し続けていきます。


(医療ジャーナリスト J&Tプランニング 財団法人日本ヘルスケアニュートリケア研究所代表市川純子)