もしも目標が正しくなかったら……?

 山田君がもし10分を目標に話しても3件の契約に結びつかなければ、品質の定義と毎日の目標を変えなくてはいけません。

 たとえば、1人当たりの話す時間を15分に延ばしてみる。または、話す時間は10分のまま、1日の目標人数を5人に増やしてみる。

 こうして毎日、中間目標の設定も検証と改善を繰り返す必要があります。

 あるいは検証の結果、電話をかけるというプロセスそのものを見直す必要が出てくるかもしれません。

「不動産管理の担当者は他の業務と兼務している人が多く、電話をかけても担当者が忙しくてつないでもらえない」

 そんな結果になれば、「最初にFAXで物件紹介の資料を送り、担当者に渡してもらってから電話をかけたほうが、こちらの話に興味を持ってもらえるかもしれない」といった改善策も出てくるでしょう。

 その場合は、「電話をかける」の前に「FAXを送る」というプロセスが加わります。そして「1日に20件、FAXを送る」といった新たな目標値を設定し、実行してみればいいわけです。

 プロセス分けも品質の定義も、最初から完璧である必要はありません。

 何より重要なのは、「毎日の勝ち負けの基準」を決めることです。

 これが決まっていることで、自分が今何をやっているかが見えてきます。