インバウンドで一儲け。Airbnbはまだまだ有望!?

上原 Airbnb(民泊のこと。詳しくは第8回を参照)にも興味があります。参入する人が増えて競争が激しくなっていると聞きますがどうですか?

生形 確かに競争が激化していますが、訪日観光客は増えているし、まだまだいけると思っています。私は地方でも運営していますが、この4月はほぼフル稼働。桜の季節は外国人に人気なんですよ。『9割の日本人が知らないお金をふやす8つの習慣』にも書きましたが、Airbnbで稼ぐなら立地を厳選することと、物件選定から家具設置、運営まで何もかも運営業者に丸投げしないことが大事です。

上原 業者に任せないで自分で運営するのは大変じゃないですか?

生形 私の場合、掃除だけはシルバー人材センターで知り合った方や、家事代行業者に任せています。利用者からの問い合わせ対応は、自分でやっていますが、ほぼ同じ文型のメールで大丈夫です。1、2物件程度であればサラリーマンでも片手間に運営できますよ。

上原 問い合わせの電話がかかってきたりしませんか?

生形 かかってくるのは月に1回あるかないかぐらい。先日はインドネシアの人と翻訳アプリ経由で会話をしました(笑)。私は英語での対応もできますが、会話よりもなるべくテキストでメッセージを送ってもらうようにしています。テキストなら、誰でも翻訳ツールを使ってどの国の人ともコミュニケーションできますよ。また、ゲストがチェックインや部屋の使い方に困らないように丁寧なマニュアルを作ってメールしておけば、ほとんどトラブルは起きません。

上原 これから民泊新法が施行されて、営業日数が180日に制限されますよね。

生形 はい、法整備がされると制限も増えるので撤退する人も続出すると思います。逆に、こういう時にこそチャンスは増えます。たとえば今のうちに民泊特区の申請をして、永続的に営業できるようにしておいたり、半分の180日はウィークリーマンションや時間貸しのスペース賃貸に使える仕組を今のうちに作っておけば、いざ法整備がされても困ることはありません。

上原 そういえば、私の知り合いでもAirbnbをやっている人がいます。駅から遠い物件だけど、クルマで送り迎えをしているので評判がいいそうです。

生形 そうなんです。そういう独自のサービスをすると、評価が上がって、利用者が増えます。ホストとコミュニケーションを取りたいというゲストも多いみたい。サラリーマンに限らず、定年退職した人や昼間時間のある主婦はAirbnbに挑戦するといいと思います。やりがいになって、収入も増えますから。しかも英語の勉強にもなります。

上原 なるほどね。私もやってみようかしら。

生形 今なら観光需要があるところで戸建を利用したAirbnbがおすすめです。アパートやマンションのようにトラブルになりにくいですし、家族旅行で大人数で借りたいという東南アジア人や、最近では団体の日本人での利用も増えてきました。
 人数によって宿泊値段を設定でき、泊まるゲストの人数が多ければ1泊3万円くらいとれることもあるので、かなりの収益になりますよ。ただし、くれぐれも今後の法整備の動向や需要があるかどうかのチェックは慎重にしてくださいね。

上原 いろいろためになります。ありがとうございました!

生形大(うぶかた・だい)
1977年生まれ、富山県富山市出身。横浜国立大学大学院修了後、外資系証券(バークレイズ証券・JPモルガン証券)出身の投資家。国内12棟189戸、海外3戸、都内の戸建て・区分マンション4戸の不動産を所有。不動産以外にも株・FX・先物・オプション取引・オフショアファンドなどあらゆる金融商品に精通し、現在は資産運用の専門家として独立、アドバイスなどを行っている。
上原ちづる(うえはら・ちづる)
スッチー大家。元キャビンアテンダントで、ANA時代に学んだコミュニケーション術や経験をベースに不動産投資を開始。現在、3棟28戸、戸建て賃貸3戸、コインパーキングなどを運営し「雑食不動産投資」を実践中。そのほか人材派遣業などもはじめ、3人の子持ちながら、ママ経営者として忙しい日々を送っている。