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PCメーカーからエンタープライズベンダーへ
EMCを手中に収めたデルが狙うもの

――マイケル・デルCEOに聞く

末岡洋子
【第148回】 2017年5月25日
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“ソフトウェア定義”技術と
5Gでチャンスは爆発する

 今後5、7年のトレンドについては、「ソフトウェア定義データセンター(SDDC)がデファクトになる」とDell氏。仮想化することで、柔軟にリソースを管理・配分するモデルだ。

 「SDDCにより、アプリケーションレベルにフォーカスできるようになり、新しい種類のアプリケーションやワークロードにつながるだろう」とDell氏はいう。SDDCはサーバー仮想化のVMwareが数年前から提唱するものだが、Dell氏はここでVMwareのソフトウェア定義ネットワーク「NSX」などの技術に言及した。

 Dell氏が次に挙げたのは、次世代のセルラーネットワーク技術「5G」だ。現在仕様策定中であり、2020年に商用化が見込まれている。東京オリンピックがあることから、日本の通信事業者も積極的に検証作業を進めている。5Gではスピード、容量、遅延などが改善されるが、Dell氏は「高速な無線通信だけでなく、データへのメリットが大きい。低遅延により、新しい種類の分散コンピューティングクラウドが実現するだろう。これは、現在のクラウドとは異なる。現時点では想像できないような新しい種類のアプリケーションが生まれるだろう」と述べる。「固定インターネットで20年前に起こったように、無線を利用して色々なことが起こる」と予想した。

 SDDCと5Gなど最新の技術を組み合わせると、「たくさんの接続されたノードがあり、そこでデータが生成され、リアルタイムでデータのやりとりが可能となる。履歴時系列データ、AI、深層学習などをその上に組み合わせると、チャンスが爆発する」とした。

 このような技術の発展に対し、「全ての業界で自社のビジネスを再度イメージし直す必要がある。データにリアルタイムでアクセスできるようになるということが何を意味するのか、何を可能にするのか、考える必要がある」とDell氏。新しいアイディアを持ったベンチャー企業、規制の枠が取れることで参入可能となる異業種の企業が参入して、既存のモデルを崩壊する可能性がある。「変化は高速で、エキサイティングな時代。大きく変わっていくだろう」とした。

インフラにフォーカス
クラウド対抗の課金モデルも発表

 Dell Technologiesのフォーカスは、この変化を支える「インフラ」だ。「第四次産業革命で必須のインフラを提供する、これが我々の使命だ」とDell氏、具体的にはクライアントデバイス、データセンター、セキュリティ、ネットワーク機能仮想化、コードとしてのネットワークなどとなる。PaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)のPivotalについては、「インフラより少し上のレイヤーとなり、新しいクラウドネイティブアプリケーションを開発する新しいインフラ」を構築すると説明した。

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末岡洋子

すえおか・ようこ/フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている。

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