――その後の人生にも影響がある場合があります。

 被害を訴えた中学生に厳しい目が向けられ、志望していた公立高校ではなく他県の私立高校に進まなければならなかったケースもあります。これも周囲からの評価が高い教師だったケースでした。このケースの場合、精神的なダメージが大きくて進学先の高校でもうまくいかなくて、学校を辞めてしまった。被害はその後の人生に大きな影響を落とすのです。大人になってからも、たとえば60代になっても被害を忘れられない方もいます。そういう方々から、多く反響をいただきました。

(※1)性犯罪についての聞き取りは被害者にとって大きな負担となることから、短時間、一度で正確な聞き取りを行うことが求められ、民間が行う研修もある。しかしこれが現場で順守されているとは言い難い。

性被害、立件への高いハードル
性犯罪刑法改正、残る問題点

――『スクールセクハラ』の中には、これは強姦事件なのではないかと感じるケースもあります。懲戒免職となっても、刑事処分を受けていないケースもあるわけですが、刑事事件になるものとならないものの違いは何なのでしょうか。

 刑事事件として立件するハードルはとても高いです。証拠や証言を揃えられるのか。現状では(強姦や強制わいせつは)親告罪(※2)ですので、訴えたいという本人の意思が固いかどうか。本人や家族が「おおごとにしたくない」というのが、とても大きいですね。ただ強姦ではなくて条例違反(18歳未満との性的行為)での立件の場合は、証拠がはっきりしていれば本人の申告は不要です。

 まず被害を周囲の大人に言えるかということ自体が大変で、さらに教師を処分できるか、民事訴訟で賠償を求められるか、刑事事件にできるか、それぞれの段階でハードルはどんどん高くなります。