ユカタン半島には有名リゾート地「カンクン」があり、沖合いには最も人気のあるコスメル島、治安が良いことでも知られる「イスラムヘーレス」といった島々がある。
リゾート地にはほかにも古くから知られる「アカプルコ」、アメリカに近い「バハ・カリフォルニア」がある。
穴場滞在地には、マヤ遺跡で知られる素朴な街「チェトマロ」、小さな田舎リゾートの「プエルトエスコンディード」、フラミンゴなども生息する漁師の田舎街「ボルボッシュ島」、お酒の名前として有名な「テキーラ」などがあり、どの街が一番いいのか決めるのに困ってしまうほどだ。
どこにするのかを判断するのは
しばらく滞在してみてからがいい
候補の国や街へ視察という形でしばらく滞在してみるのは避けられないことだ。
その際、ポイントとして重要なのは、たとえ「つまらなさそう」といった印象を受けても、すぐにその街をあとにしないこと。というのも、初印象は悪くても、しばらく滞在してみると、初めとは違った印象に変化する場合もあるからだ。
例えば、カンボジアの首都・プノンペンを初めて訪れたとき、「埃っぽく、街は騒々しい」と最悪の印象だったが、「物価も安いことだし2、3日我慢してから移動しよう」と決めた。しかし、結果的に1ヵ月以上滞在することになった。
滞在してみると、なぜか居心地が良くて、埃も騒々しさもまったく気にならなくなっていた。
言葉ではうまく説明できないが、「空気が馴染む」といった感覚といえばいいのだろうか。とにかく「気負いもなく、自然体のままで溶け込める」といった不思議さから、観光客で賑わう「シュムリアップ」の街よりも大好きになったほどだ。
また街並みはあまり好きになれなくても、そこに住んでいる人たちと仲良くなり、その街の暮らしぶりにドップリと浸かってしまうことで、大好きになってしまうこともある。
いずれにしても、国選びはいろいろな制限の中で決まっていくものだが、街選びは頭で考えるよりも実際は大変だったりする。目移りする人・しない人にかかわらず“決め手”となる材料が必要となるかもしれない。