ワイス まず学生に1週間、行動日誌をつけてもらいます。学生は、何に時間を使ったか、どういうときにマインドフルネスを実践したかを記録し、授業で発表します。この演習には1つだけ条件があります。自分の得意なことや好きなことをやっているときにマインドフルネスを実践してはならないというものです。

 自分の人生の目的や情熱を確認したいときに実践した人もいれば、やりたくないこと、恥ずかしいことをやる前に実践した人もいました。多くの学生は、何かを決断するときに使っていましたね。マインドフルネスは自分という人間をあるがままにとらえるだけではなく、次に進むべき指針を示してくれるものなのです。

職場で簡単にできる「マインドフルネス実践法」

リア・ワイス(Leah Weiss)博士

佐藤 私自身、気持ちが落ち込んだとき、嫌なことがあったときなどにマインドフルネス瞑想をしてみましたが、心を落ち着かせるのに非常に効果がありました。脳をマインドフルネス状態にするには、「目を閉じて、瞑想する」というのが最も一般的な方法ですが、日本のビジネスパーソンが職場で簡単にできる「マインドフルネス実践法」を何か教えていただけませんか。

ワイス 私がハーバードビジネスレビュー誌で発表した4つの実践法はいかがでしょうか。これは、とてもシンプルですが、職場でのストレスを軽減するには効果的な方法です。

1.一回、深呼吸をする
2.ネガティブな感情を客観的に受け止める
3.嫌なことを言う人たちも自分と同じ心や体を持つ人間だと思い、相手を思いやる
4.小さな喜びを大きくかみしめる

 瞑想をしなくとも、今に集中できる方法もあります。これを「マインドフルネス・イン・アクション」と言います。たとえば、職場で会話をしているときにも、マインドフルネスを実践することができます。会話を他人の話を傾聴する機会だととらえ、「次にどうやって切り返そう」とか、「どうやって要約しよう」などと考えずに、ただ「話している人の言葉に集中する」のです。相手の言葉だけではなく、ボディーランゲージにも注目し、相手の感情も理解しようとしてください。これもまた、とても重要なマインドフルネス実践法です。会話をしているときに、マインドフル(今に集中している状態)になればなるほど、より建設的な会話ができるようになるのです。