「well-rounded」が
これからのキーワードになる

「SIJ2017」のボランティア講師に応募してきたハーバード生の中から厳選した22名に、家庭学習について直接聞き取り調査を行いました。

 その結果、家庭の特徴は大きく分けて3つありました。

・何にでも挑戦させてくれたうえに、「失敗してもOK」と明るく育ててくれたので、得意分野ができた
・決して上から押しつけず、楽しくモチベーションが上がる工夫がされていたので、成績も習い事もうまくいった
・オープンマインドで寛容に育ったので、誰とでも仲よくできる

 そんな環境で育つと、どんな子どもになるのでしょうか。

 英語に、well-rounded(多芸多才で明るい子ども)という表現があり、アイビー・リーグ(アメリカ北東部にある名門私立大8校……ブラウン大、コロンビア大、コーネル大、ダートマス大、ハーバード大、ペンシルベニア大、プリンストン大、イェール大)の入試でも、学力テストだけではなく、あらゆることが求められます。

 勉強は全科目優秀、スポーツも楽器もこなし、何らかのコミュニティリーダーを務め、ボランティア精神旺盛、他人にやさしく社交的、そのうえ「超」のつく得意科目があり、大学に入ったら4年間、仲間としっかり大学の名誉のために力を発揮してくれる、そんな学生を大学側が求めています。

 日本の新学習指導要領も、well-rounded、つまり、何でもできて明るい子どもを育て、社会で活躍してもらうようにつくられました。
 学力テストは、ネットの発達した21世紀では単なる「一芸」にすぎません。