ニューヨークやロンドンを拠点にするファンドマネージャーらと話をすると、「年内は何とか、株の強気相場は持つだろう。しかし、年明け以降はわからない」との返事が多い。皆一様に口をそろえるのは、米国の緩やかな景気回復に加え、中国の景気が年内の世界経済を支えるということだ。確かに、秋の党大会を控える中、習近平国家主席は国内の不満を抑えるために財政出動を進め、景気の安定を図るだろう。

「いつ強気な相場が崩れるか」、彼らに尋ねると「来年5月」、「2018年後半」といった答えが多い。回答にばらつきがあることを見ると、多くの市場参加者が相場の調整のタイミングを考えあぐねているようだ。中には、「年内は問題ない。だから来年」といった答えもある。

 この状況をどう考えるべきか。資産価格の上昇は単純な原理に基づいている。買いたい人が売りたい人より多ければ需要供給、価格は上がる。
 6月下旬以降、米国の長期金利の上昇を受けてアマゾンなどのハイテク株は軟調だ。それを目にした投資家やストラテジストは「押し目買いのチャンス到来」との見方に転じている。いまだ、株価への強気心理は根強い。売りたい人よりも、買いたい人は多いと考えるべきだろう。

 ただ、少し長い目で見ると、お金の量が減ることは株式市場にとって大きなマイナスになることは間違いない。米国などの株式市場は金融引き締めに持ちこたえられるだろうか。早ければ今年夏場以降にもFRBはバランスシートの縮小を開始し、ECBも政策を調整する可能性がある。

 その時、投資家の売りが相場下落の要因となり、売りが売りを呼ぶ展開が訪れる可能性は排除できない。投資家の見通しが一方向に偏っていると考えられるだけに、秋口の相場環境の変化には注意が必要だ。

 これだけ堅調を保ってきた相場はいつか調整を迎える。問題はそのタイミングだ。多くの投資家は、調整時期は来年の年央以降と見ているようだが、皆がそう思っているときタイミングが外れることはよくある。意外に前倒しになるかもしれない。「まだはもうなり」との格言もある。