今後、東北地方は“静かな時代”に――
警戒すべきは関東以西の日本列島

――今後の日本列島における地震活動をどう評価しているか。

 東北は今、余震も頻発し非常に困難な状況だが、今後、非常に長期間にわたって同規模の地震が発生することはない。余震が収まれば、安定した時期に入るので、安心して通常の経済活動が行える状態になる。

 しかし、関東から西日本は正反対な状況に置かれている。まず今回の地震発生以前から、2050年前後には東海・東南海・南海地震の発生が予測されていた。これら南海トラフ沿いの巨大地震は、歴史文書や考古遺跡などからも、規則的に発生した過去の履歴が遡られており、近い将来、必ず地震・津波がその領域で発生するはずだ。

 実は今回の東北沖の地震の前には、太平洋プレートによって圧縮されていた東北日本では、被害地震(人的・物的被害を伴った大規模地震)が頻発していた。2003年に松島周辺、2004年中越地震、そして3年後の中越沖地震、そして2008年の岩手・宮城内陸地震であるプレート境界の巨大地震の発生と、内陸地震の間には相関があり、プレート境界地震の発生前後で内陸地震が多い。したがって、想定される東海・東南海・南海の地震の前も内陸の被害地震が増加していく可能性が高い。

 今回の地震は平安時代の貞観地震と対比されることが多いが、貞観地震から約20年後の南海トラフ沿いの巨大地震(南海・東南海・東海地震)までに、火山噴火やいくつかの被害地震が発生している。南海トラフでの地震後は地震の記述は長期間なくなり、平穏な時期が訪れていたようである。不幸にも我々が生きる時代は地震活動が活発な時期に当たってしまっている。こうした地震活動の状況は、今後の日本の社会・経済情勢にも大きなリスクになるのは間違いないだろう。

 とはいえ、南海トラフ沿いの地域については、東北沖の日本海溝沿いとは対称的に、歴史文書や考古発掘が盛んで、発生サイクルが短く、非常に古い時期まで遡って地震や津波発生時期・規模などの資料がそろっている。そうした資料と今回の地震の教訓をもとに、リスクを再評価し、早急な対策が求められる。

“戦う相手”と“自らの資金力”を考えながら
早急に津波早期警報システムの整備を

――巨大地震の発生が予測される今、これからどのような地震対策を行うべきか。