マイナス金利の導入で
銀行の収益源が変わってくる

 ATMの時間外手数料なら、時間外に引き出さないようにする、もしくは時間外手数料がかからないようにネットバンキングを活用するといった対策を立てることもできます。
 しかし、今後はそうも言っていられないかも知れません。なぜなら、マイナス金利は銀行の収益を圧迫するからです。

 銀行のメインの収益源は、預入期間の短い預金でお金を集め、企業などに長期で貸し出すことによって、金利差を得ることにあります。基本的に、満期までの期間が短い金利(=短期金利)は、満期までの期間が長い金利(=長期金利)に比べて金利水準が低くなります。
 しかし、マイナス金利の導入によって、10年という長期の金利までもがマイナスになってしまいました。こうなると銀行は、「預金を集めて企業に貸し出す」というメイン業務で収益を稼ぎにくくなります。

 結果、銀行は別のところに収益を求めるようになります。そのひとつが今後、恐らく導入されるのではないかと見られている口座管理料の徴収です。たとえば、その銀行への預入金額が一定額未満の預金者に対しては、1か月につき一定額の口座維持手数料を徴収するといった類のものが導入される可能性があるのです。

マイナス金利の意味は
お金の価値が腐っていくこと

 さらに言うと、マイナス金利というのは、言葉は悪いのですが、時間が経過すればするほど、お金の価値が腐っていくのと同じです。本来、預金でも何でも、金融商品にお金を預けていれば、時間の経過と共に、ほんの少しずつでも利息が加算され、預金の価値が増えていったのに、マイナス金利はその逆の現象が起こるわけです。つまり、資産を預金のままにしておくと、その資産価値はどんどん目減りしてしまいます。

 したがって、マイナス金利時代の資産運用は、預金に預けておく額を極力減らし、一方で、投資商品により多くの金額を投入するようにした方が良いのです。
 つまり、今後は「預金をせずに投資をする」これが正解なのです。

 投資と聞くと怖い、と思う人もいるかもしれませんが、それも親の刷り込みでしょう。将来後悔しないためにも、ぜひ一歩を踏み出してみてください。

中野晴啓(なかの・はるひろ)
セゾン投信代表取締役社長
大学卒業後、現クレディセゾン入社。2006年セゾン投信を設立、07年4月より現職。現在、口座開設数12万人超、預かり資産1800億円を突破。著書に『最新版! 投資信託はこの9本から選びなさい』『投資信託はこうして買いなさい』(共にダイヤモンド社)、『退職金バカ 50歳から資産を殖やす人、沈む人』(講談社+α新書)他多数。