山ガール、釣りガール、囲碁ガール……。今をときめく趣味系女子はさらに増え、女性たちのアクティブなライフスタイルを象徴しているようだが、ここに来て「よなガール」と呼ばれる女性たちがにわかに注目され始めているのをご存知だろうか?
「よなガール」とは、家でひとりDVDを観て、本やマンガを読みながら「夜長」を過ごすという、穏やかで静かな生活を愛する女性たちを指す。
『TV Bros.』(東京ニュース通信社)8月6日号の巻頭特集は、この「よなガール」だ。「もしや私は『よなガール』予備軍?」……心当たりのあるアナタは、同誌に紹介されている以下の項目の一部をチェックしてみよう。
・趣味はお家の中で。それもひとりでできるものばかり。
・ひとりの夜がかなり充実し過ぎて不安になる。
・周りの友達が結婚したり出産したりして、寂しく感じることが多い。
・なんやかんや言いつつ、こんな自分も悪くない。
さらに同誌には、「よなガール」を代表して、独身・妙齢のアラサーOL3名の座談会が紹介されている。彼女たちの長い夜の過ごし方は……「マンガ」に「ジグソーパズル」、そして「刺繍」などだ。
「こんな地味で寂しい夜を送っているのは私だけ?」
「家にいたって、飲み会の場に行ったって、結局はひとりになる気がする」
……と、当の本人たちは自身を盛んに揶揄し、自虐エピソードが満載だ。
しかし、上記のような「よなガール」の生態に共感を覚える女子は、実は意外と潜在的に多いのではないだろうか? 「ほんとの『よなガ』は寂しさと孤独を一人で噛み締めている」……彼女たちは、そんな潔さや度量も兼ね備えているのだ。
バブル崩壊以降、失われた10年の間に、女性のライフスタイルもますます多様化した。デフレも影響し、身の丈に合ったライフスタイル、たとえば“おうちご飯”“ひとり飲み”など、ひとりで楽しむことが容認される時代となったと言えるのではないか。
同誌には、かのバブル期に女王のように君臨したタレント・岡本夏生氏のインタビュー記事も載っており、興味深い。「よなガール」とは対極にあるイメージの彼女だが、その実、バブル崩壊後は自宅で潜伏期間を送りながらも、食や入浴などで美を追求し続けた。
「私は芸能界きっての『よなガール』」と自負し、その努力が昨今の再ブレイクに繋がっていると自身は分析している。そして、「『よなガール』の夜、女が女子力アップのために爪を研ぐ時間よ!」と喝破するのだ。
アナタの周囲に同じようなタイプの女性は存在するだろうか? 彼女たちは今、大切な「女磨き」の準備に余念のない期間であると、ぜひともその成長ぶりを楽しみに見守っていただきたい。
(田島 薫/5時から作家塾(R))