お互いに長所を知って、信頼関係を育てる
チーム内で、お互いに長所を知ろうとするとき、「長所を見つける側」と「長所を見つけられる側」に分かれないこと。メンバー全員が、「話を聴かせていただく」という姿勢で、長所を知ろうとすることで、それを避けることができます。
長所を知ることが最終目的ではないのです。結束力UPのために、お互いに長所を知って、信頼関係を育てることが目的であることを忘れてはいけません。
そして、あなたが感じたメンバーの長所は、その場で伝えること。長所を知ったときの「即レス」は重要です。なぜなら、即レスは、メンバーに喜びを与えるからです。
信頼関係がないと、そもそも情報がうまく伝わっていきません。各自がバラバラなのは、十分に必要な情報が伝わらないことも一因です。これを「もっとコミュニケーションを!」とスローガンで打ち出しても、いまバラバラなのですから、簡単にはスムーズに必要な情報が行き交うようにはならないのです。
システムや仕組みだけを整えても、情報の共有ができない職場は、日本には山のようにあります。おそらく、あなたの職場もそうではありませんか。では、メンバー間で、情報が流れ合うようにするには、どうすればいいのでしょうか。
その情報の壁を打ち崩すのが、互いの長所を知ることなのです。あなたはメンバーの長所を知っていれば、そこにあてはまる情報を投げかけたくなるでしょう。そしてメンバーは自分の長所に関係する情報を得られると、喜びを感じるはずです。「また仕事を押しつけられるのか」ではなく、「それは自分の仕事に役に立つ話だ」と情報の受け取り方が変わるのです。互いに、こうした関係になっていると、メンバーから進んで、必要な情報が十分に行き交うようになるのです。
長所の伝播が進むにつれて、そのほかの大切な情報の伝播力も高まります。そして、それぞれのプレーする場も同時に広がっていくのです。
「そうか、自分の長所はこういうところでも発揮できるかもしれない」。そう感じたメンバーは、いままでとは違うフィールドでも活躍するでしょう。
各自の居場所は、自分の所属するチームの場だけではなく、プレーする場でもあります。小さくまとまるのではなく、それぞれが長所を活かし合うことで、チームのプレーする場は大きく広がりますから、当然、メンバー各自の居場所は広がっていくことになります。
そして、トップクラスの人たちこそ、次世代のメンバー、まだ十分に力を発揮できていないメンバーの長所を知り、それを認めてあげて後押しをすることが最高のパスになります。尊敬できる上司、先輩からの長所を称賛してくれる言葉は、そのメンバーに、目の輝き、自信、勇気を与え、真っ直ぐ前を向く行動へと変化させていけるようになるのです。