かつて第二子を産めば
解雇や除籍も

 かつては、第二子が欲しくて妊娠した女性が、生まれるまでにいろいろな壁にぶつかり、最終的に諦め、人工中絶に追い込まれたケースがいくらでもありました。

 中国社会はほとんどが共働きのため、二人目の子どもを産めば、職場から解雇されたり、出世の道が閉ざされたりしていました。共産党員なら間違いなく除籍されてしまいます。これまで積んできたキャリアを一瞬にしてなくすこととなり、人生が一遍に変わってしまいます。

 そうした背景があるから、「一人っ子が当たり前」の世界で、一人っ子に慣れた生活スタイルが定着して三十数年が経ち、「今さら、二人目?」と思っている人が少なくありません。

 その一人っ子だった世代が今度は親となる年齢です。経済が急速に発展し、生活が豊かになるにつれ、社会的な競争も増しています。

 一人の女性が大学や大学院を出ても、就職はそう簡単ではないのが実情です。やっと社会人になり、会社でキャリアを積み、ようやく生活が安定するまでは、まさに厳しい競争を勝ち抜く必要があります。

 特に、結婚後の出産に関しては「重大な決意」で挑むこととなります。産休中は収入が減少する上、これまでやっと上り詰めたポストに戻れるかどうか、営業の場合は顧客が流失しないのか、今後の出世の道に影響が出ないのか。子育てが終わって数年後の自分は、社会から取り残されるのではないのか…など、心配と不安が交錯します。