◇食品添加物は危険なのか?

 食品添加物は、安全性試験で毒性を厳密に評価されている。たとえば、保存料のソルビン酸類や人工甘味料のアスパルテームは、食品添加物として厚生省に正式に認められている。しかし、かつて食品添加物バッシングがあったことで、こうした保存料や甘味料が嫌われたため、その代替品となるものを多量に添加しなければならなくなってしまった。その結果、味が落ちたり、保存期間が短くなったりするといった弊害が生じてしまっている。

 また、食品添加物に悪印象をもつ人が多い一方で、無農薬野菜によいイメージをもっている人は多い。しかし、虫による食害を受けると、野菜は多種類の防虫成分(天然農薬)を爆発的に分泌する。この天然農薬には、発がん性物質が含まれていることがある。さらに、天然農薬は食中毒も引き起こす。たとえば、ジャガイモの芽には毒が多く含まれており、食中毒の原因となっている。

 食品の安全でもっとも重視すべきは、食中毒を防ぐことだ。保存料がなければ食品は腐敗しやすくなり、食中毒の危険性は増すということを私たちは認識しなければならない。

◆水とマイナスイオン
◇水道水のほうが安全

 前述したように、健康にかかわる分野ではニセ科学が蔓延している。とくに、水をめぐる商品でそれは顕著だ。マイナスイオン水、波動水、トルマリン水などは、科学的な効能をうたうことで消費者を釣り、高価で売りつける典型例である。

 逆に、なんとなく健康によくないイメージのある水道水だが、その安全基準は市販のミネラルウォーターよりずっと厳しい。ミネラルウォーターは水道水の1000倍の価格で販売されているが、その品質基準は水道水よりゆるい。

◇水はなんにも知らない

 水関連のニセ科学で流行しているものに、「水のクラスター」という言葉がある。よくある説明としては、「水のクラスターが小さいほうが細胞に浸透しやすい。植物の成長も促進してくれるし、味もよくなる。クラスターが小さい水は健康によい」というものだ。しかし、水の研究をしている科学者たちによれば、そもそも水のクラスターの大きさは測れないものだという。

 また、最近は「水素水」がブームとなったが、水素水に活性酸素を除去するような有効性は確認できていない。その少し前に流行った「磁化水」や「アルカリイオン水」についても、効能を宣伝すれば違法となってしまう。科学的な根拠は何もないからだ。

 このような水に関するニセ科学がメジャーになったのは、2000年頃に出版された『水からの伝言』という本の影響が強い。これは、「波動」を商売にしていた著者が宣伝のために出版したもので、「水は言葉を理解できる」というありえない内容の本だった。しかし、現実には教育技術を指導している教育団体までもが、このインチキ商売に感化されてしまった。

◇大手家電メーカーすら信用できない

 マイナスイオンは、人気TV番組がきっかけでブームとなったニセ科学だ。大手家電メーカーまでもが、「マイナスイオンを発生させる」とうたった家電製品を一時期発売していた。その後、健康によいという証拠がないことから、マイナスイオンブームは収束した。とはいえ、今でもマイナスイオンがニセ科学であることはあまり知られていない。

 マイナスイオンの他にも、大手家電メーカーがニセ科学商品に携わっている例はいくつもある。たとえば、よく効能が喧伝されている遠赤外線だが、実のところ科学的な根拠はない。また、殺菌作用があるとして、シャープが売りこんでいる「プラズマクラスター」も、第三者の研究機関が調査した結果、その効果が否定されている。