一方、MFSも住宅ローンを足掛かりにして、モゲスコアで集めたビッグデータを活用し、決済や資産運用など、総合的な金融サービスを提供する企業への転身という野望を抱いている。

 それらが現実のものとなれば、信用力スコアが高いユーザーは今後、2社が提供する保険商品の保険料が安くなったり、資産運用の幅が広がったりといった具合に、その他のサービスでも優遇を受けられる可能性が高いだろう。

 さらに、ジェイスコアやMFSが外部と提携するなどして、その信用スコアを社外へ展開し始めたら、あらゆるサービスで同じことが起こり得る。つまり、これらの信用スコアが世の中に浸透していけば、どんな場面でもあなたの信用力を指し示す“モノサシ”となる潜在力を秘めているのだ。

 こうした見通しは、何もSF世界の絵空事ではない。海外では現実世界での出来事となっている国もある。

 その一つが米国だ。分析用ソフトウェアを提供するFair Isaac Corporation(FICO)が算出している個人の信用スコア「FICOスコア」は、米国において社会インフラと化している。「米国では、FICOスコアが低いと何をやってもうまくいかない」とまで言われる。

個人の「信用力」が学力偏差値を超える社会のモノサシになりつつあるアリババ集団のグループ企業が手掛ける「芝麻信用」 写真提供:東短リサーチ

 米国でクレジットカードをつくる際だけにとどまらず、就職やアパートを借りるといった際にも、信用に足る人物なのかを評価する材料として、このFICOスコアが用いられるという。

 中国も似たような状況だ。中国電子商取引(EC)最大手、アリババ集団のグループ企業が手掛ける「芝麻信用」というサービスが算出する信用スコアは、社会インフラとなっている。

 その評価軸は「個人特性」「支払い能力」「返済履歴」「人脈」「素行」の五つ(写真)。中国では芝麻信用の信用スコアによって、ホテルや空港、レンタル自転車などのサービスに差がつくようになってきたという。