多くの人が症状を自覚して受診

 現在、昭和大学附属烏山病院で15歳以上を対象に行っているADHD専門外来を訪れる人の多くが就労しています。軽症で知的能力が高く、年齢は20~30代が中心です。性別では男性が若干多めです。ADHDの人の割合は小児期に3~5:1で男性が高いのですが、女性は不注意優勢型で大人になって発覚するケースが多いため、性差は少ないと思われます。

 職場でのプレッシャーやストレスによりADHDの症状が目立つようになり、「他の人と比べてミスが多く、どこかおかしい点がある」と自分の症状を自覚して来院される方がほとんどです。「学歴があるのに使いものにならないから、発達障害に違いない」と会社の上司や産業医に言われて来院する人もいます。

 ADHD発症のメカニズムは解明されていませんが、生まれながら脳の一部の働きや、脳内の神経伝達物質であるノルアドレナリンやドーパミンの働きが不十分であることが原因と考えられています。同一家系にADHDやASDの出現率が高いことからも遺伝的な要因もあるとされています。

 ADHDが疑われ、その症状がストレスや生きづらさの原因となっている場合、精神科や心療内科を受診しましょう。ただ、日本ではまだ発達障害の診療体制が整っておらず、大人のADHDを診察できる病院は限られています。発達障害支援センター(※)などで情報を集め、事前に病院に電話して確認するのがよいでしょう。

 診断では問診を重視します。児童期かそれ以前にADHDの症状が認められたか、その症状が現在まで継続しているかがポイントとなります。通知表に「落ち着きがない」「忘れ物が多い」などのコメントがあれば、判断材料の一つになります。補助的なツールとして、コナーズ成人ADHD評価スケール(CAARS)、他にも成人期の自己記入式症状チェックリスト(ASRS-v1.1)、ヴェンダー・ユタ評価尺度(WURS)などを使用します。