『アルフレッド・アドラー 一瞬で自分が変わる100の言葉』がダイヤモンド社から発売されたことを記念して、20万部突破の第一弾『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』を特別公開します。アドラーの厳しくもあたたかい言葉に、あなたも勇気づけられてください。

命令口調をやめて、お願い口調や「私」を主語にして伝えると、
それだけで勇気を与えられるだろう。

「コピーとっておいて」という言い方が相手のやる気を奪う理由

「これ、コピー取っておいて」「メールに添付して送ってね」など。

 これらの言葉は、一見すると柔らかくていねいですが、「命令口調」であることに変わりありません。なぜならば、これらの言葉は相手にとって「選択の余地がない」口調だからです。このように「命令口調」で言われた方は、「自分の立場や状況が尊重されていない」と感じます。そして、不快感と共に勇気をくじかれた、と感じるのです。

 しかし、同じことを「お願い口調」に変えるだけで、それが勇気づけに変わります。

「コピーを取っておいてもらえますか?」

 このように、相手にYES、NOの選択の余地がある問いかけにするだけで、相手は「尊重されている」と感じ、勇気づけられるのです。

 また、お願い口調だけでなく、アイ・メッセージを使う方法も有効です。アイ・メッセージとは、「コピーを取ってくれると、『私は』とっても助かるなあ」のように主語が「私」である口調のこと。その逆であるユー・メッセージ「『あなたは』コピーを取るべきだ」の対極にあります。

 ユー・メッセージが冷たく、断定的な印象を与えるのに対して、アイ・メッセージは温かい印象があり、なおかつ、相手に選択の余地を与えているため、相手は「自分の立場や状況が尊重されている」と感じるのです。お願いの仕方一つとっても、それが勇気くじきにもなれば、勇気づけにもなるのです。

「コピーとっておいて」という言い方が相手のやる気を奪う理由アルフレッド・アドラー Alfred Adler(1870年-1937年)
オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家。フロイト、ユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した1人。個人心理学(アドラー心理学)を創始し、『7つの習慣』のコヴィー博士、カーネギーらに影響を与えた。「自己啓発」の源流である。

※本連載は日曜日以外の毎日更新します。