あなたは、なぜ「伝わる話し方」を身に付けたいのか? 自分のことを理解し、共感してほしいから? もちろん、それもあるだろうが、ビジネスの現場では多くの場合、相手になんらかのアクションを起こしてほしいはず。連載第4回は、新刊『話ベタでも100%伝わる「3」の法則』から人を動かすときの最大のポイント、「利益(ベネフィット)」をはっきり示す話し方の1つを紹介する。
他人事で人は動かない
あなたは論理的に話をして、相手も納得しました。これで一件落着――。
こう言いたいところですが、残念ながらそうはいきません。
全面的に謝罪するような場合はともかく、なんらかの形で相手に協力を仰ぐときは、その相手に行動(アクション)を起こしてもらわなければならないからです。
たとえば、顧客に自社商品をすすめる場合、商品のよさを知ってもらうだけでなく、実際に購入してもらわなければ意味がありません。
「いい商品だね。でもなぁ……」
煮え切らない客は、少なくないでしょう。
そうすると、つい「そこをなんとか、お願いしますよ」と卑屈になったり、「いまさら、それはないでしょう」と押し売りのような真似をしたりします。
しかし、これでうまくいくとは思えません。
商談に限らず、人を「動かす」には、相手の「利益(ベネフィット)」を明確に伝えることが不可欠です。
わかりやすい例でいえば、こんな具合になります。
「この商品の省エネ機能をフル活用すれば、ランニングコストは従来の半分になります」