『アルフレッド・アドラー 一瞬で自分が変わる100の言葉』がダイヤモンド社から発売されたことを記念して、20万部突破の第一弾『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』を特別公開します。アドラーの厳しくもあたたかい言葉に、あなたも勇気づけられてください。
「こんなやり方はどうかな?」と提案する。
それこそが、相手を育てる有効な方法である。
勇気くじきをしないためにも相手の間違いを指摘したくない。かといって、知らん顔をして間違いを放置するわけにもいかない。どうすればいいんだ……と悩んでいる人も多いことでしょう。そんなときは、勇気づけながら助言を与える方法が有効でしょう。
多くの場合、助言は問題指摘から始まります。「そのやり方ではダメだよ」そう伝えてから次に助言をするのです。「こうやればいいんだよ」。しかし、最初の一言は問題指摘であり勇気くじきになってしまう。であるならば、問題指摘をやめればいい。「こんなやり方はどうだろう?」といきなり助言をすればいいのです。
ソリューション・フォーカスという技法があります。それは、まさに、ソリューション(問題解決)にフォーカス(焦点)を絞ること。問題指摘や原因分析をせずに、いきなり建設的な問題解決だけを話し合うのです。 たとえば、商品発送の間違いでお客様からクレームをいただいたとき。通常であれば「出荷指示の間違いが原因だ」「山田さんがミスをしたからだ」と、問題指摘や原因究明からスタートするのが常でしょう。しかし、それでは勇気くじきになってしまいます。そこで、問題指摘や原因究明のプロセスを省略するのです。「さあ、どうしたらミスがなくなるかな?」そう問いかけるのです。そして、自ら「こんなやり方はどうだろう?」と提案する。そうすれば吊し上げが勇気づけに変わるのです。
オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家。フロイト、ユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した1人。個人心理学(アドラー心理学)を創始し、『7つの習慣』のコヴィー博士、カーネギーらに影響を与えた。「自己啓発」の源流である。
※本連載は日曜日以外の毎日更新します。