自動車業界という環境の中で、女性が顧客対応に当たると「信用できるのか?十分な知識は持っているのか!?」という態度をとられる場合が多い。回答者の58%は「実際の能力より下に見られている」と感じ、42%が「男性の同僚あるいは後輩に昇進で先を越された」といい、「男女の機会が均等だ」と感じる女性は34%、「そうは思わない」が59%となっている。

「自動車メーカー以上に男尊女卑の傾向が強い」といわれる職場が、米国の新車ディーラーだ。ここで女性が働くことはまさに困難を極め、ディーラー勤務の女性は96%が定年前に職場を去っている。

女性が乗りたいクルマをつくる
のが自動車メーカーの仕事

 プロジェクトXXはシリコンバレー、広告業界、マーケットリサーチ業界と自動車業界を比較した調査も行っているが、「“女性が差別を感じる”という点で最悪なのが自動車業界」という結果だ。なお待遇、昇進などの面で男女差が最も少ない、と女性自身が感じるのは、シリコンバレーではなくマーケットリサーチ業界だった。

 差別を感じているのは女性だけではない。LGBT、いわゆる性的マイノリティの人々にとっても、自動車業界は最も差別が多く働きにくい職場だという。

 今回の調査で「新規取引先への営業に成功したら、上司から“枕営業か”といわれた」「子供を産んだために予定されていた昇進を取り消された」「上司に顧客の前で“秘書と掃除担当者”と紹介された。実際は営業補佐なのに」などという実態が明らかになった。

 しかし、人口の半分は女性。マッチョなスポーツカーやトラックならともかく、子供を送迎するためのミニバンなどは女性ドライバーのほうが多い。女性が乗りたいと考えるクルマをつくるのは、自動車メーカーの仕事だ。自動車業界に巣食う女性差別の現状を、今後どう改善していくのか。経営者、現場の管理職のモラルが問われている。

 女性の自動車整備士育成に力を入れている日本の自動車業界は、米国より進歩しているナ。

(報告/土方細秩子、まとめ/CAR and DRIVER編集部)